鉄塔が立つ、夕暮れの山の端。
この山の向こうはどうなっているのかしら。子どもの頃から、ずっと不思議に思っていた。
大人になってから、地図を見た。
山を越えると、おお、隣の県ではないの。
世界の端っこに住んでいるような気分になっていた。
世界は広い。
その片隅で、珈琲などを飲みながら、日々のことを、綴ってゆこう。
ひねもすのたりのたりと。
こないだ、ピアノのコンサートを聞きに行くため、大阪へ向かった。
JR大阪駅の変わりっぷりは、すごい。
大都会の片隅で、「神座」のねぎラーメンを食す。
私は、大阪の地理を、よく解っていない。
土地勘のない街で食べるラーメンは、なんとなく、魅惑的である。
友人と待ち合わせるべく、コンサートホール近くの噴水の前で、缶コーヒーを飲んでいた。
雀が近づいてきて、目の前でフンを落とした。微かに身の危険を感じた。
風が強く吹いて、木々がざぁぁと揺れ、電車が走り、飛行機が頭上を飛び、日は暮れ、雀は徐々に距離を縮めてくる。
ここはいったい、大阪のどのへんであろうか。
この世には、色んな場所があるものだ。