yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

キトキト金沢ひとり旅道中記

金曜日から土曜日にかけて、金沢へ行って来ました。
7〜8年前ぶりでしょうか。
金沢にお住まいの、さるお方の日記を拝見し続け、「今年こそ」と画策しておりました。


前夜、熱闘甲子園から戻り、荷造りをしながらニヤニヤしていたら、母が、
「アンタの分、お寿司があるさかい、朝、出る前に食べて行きや」と。
というわけで、出発当日、冷蔵庫をバフっと開けますと、12貫の握り寿司。

あのー。
握りってのは、いくら冷蔵庫に入れても、当日に食べないと、つらいネタがありますね。はまちとか。
前日に「晩ご飯食べて来る」と言ってなかった私の責任なので、完食。
ここで、既に満腹状態になり、いざ、京都駅へ。


高速バスで、途中、10分程度の休憩を挟みつつ、約4時間半のみちのり。
二階建て三列シート仕様。快適。
お盆渋滞につき、やや遅れながらも、バスが福井県から石川県にさしかかると、車窓から日本海が見え始めた。


しばらくして、金沢市街地に到着。
にし茶屋街を抜け、犀川にさしかかった。静かにボルテージ上昇。


渋滞で30分ほど遅れたが、無事に到着。
降りた瞬間、もあっとした熱気。
金沢も京都と変わらず暑いことが、よく解った。
ホテルにチェックイン。高層階からの眺め。


ロビー横の喫茶室で、サービスのホットコーヒーを頂く。
フレッシュミルクではなく、練りに練ったクリームが出てきたので、ちょっとビックリ。


すぐ近くの近江町市場へ。
ここで海鮮丼をと思っていたが、朝に食べたお寿司が消化出来てない状態で、更に市場の中のお食事店は、どこもいっぱいであった。
とりあえず、探検。


鮮魚店岩牡蠣に人だかり。


これが、金沢のキリコというものなのですね。


金沢のお菓子「ビーバー」。


いいですねえ。市場、大好き。新鮮なお魚やお野菜を見るだけで、ワクワク。


目についたお店で、「これだけは絶対に遂行する」と決めていた岩牡蠣を食すことにする。
色々なお値段。


大奮発。1300円の大物に決定。おにいさんが200円負けてくれた。


写真ではわかりづらいのですが、岩牡蠣の直径は、約15センチほど。
好みで、レモン汁やポン酢をかけて、いただきます。

いつも食す牡蠣は、一口でハイ終了ですが、これは…食べても食べても、牡蠣(当たり前ですが)。牡蠣をかみちぎっても、まだ牡蠣があるなんて、夢のよう。
私の稚拙な文章表現ではこの美味しさをお伝えし切れないのですが、お味はまさに海の宝石箱。凝縮した海の旨味が、ダイナミックに広がる。
本日のお昼ご飯は、これにて終了!

市場内には、氷のかたまりがあちこちに。通る時にペロンと撫でる。


近江町市場から、歩く。それにしても、暑い。


尾山神社に到着。三層アーチ型の楼門の、和漢洋折衷の斬新さ。五彩のステンドグラスは、夜になると一層美しく輝くのでしょう。

うわー。金沢だぁ。と嬉しくなる。装飾がとても精緻。


お詣りし、ご朱印をお受けし、石段を下がる途中に見える、昭和な感じの路地。


暑くさえなければ、歩きたおすつもりだったが、さすがにギブアップ。大人しくバスを利用し、兼六園へ。

ことじ灯籠。


雁行橋。


霞ヶ池。


時雨亭のお茶席は終了していた。残念。
美しい緑に溢れている。


出世茶屋にて、宇治かき氷。氷の下に宇治蜜が。火照った身体をクールダウン。ものすごく美味しかった。


バスに乗って、橋場町へ。
交番前バス停のベンチ。アクリルガラス?美しい。


浅野川

このへん、尾張町から橋場町は、レトロな雰囲気の建物や、老舗商店が多いということで、ワクワク。
バスの降り場をちょっぴり間違えちゃったので、端から端まで歩けなかったのだが、確かに、いい感じの建物が沢山。


日が暮れ始めて来た。
久保市乙剣宮から、暗がり坂へ。秘密めいた花街への抜け道。ぞくぞくする。


坂を降りると、主計町の路地。


黒猫発見。愛でさせていただく。


バイバイ、黒き旅の友よ。


お茶屋さんが並ぶ浅野川沿いに出る。
映画「舞妓haaaaaan!!」のワンシーン、ここでロケをしていたんですね。
風情たっぷり。


夕暮れの浅野川大橋を渡り、ひがし茶屋街へ。


福島三弦店。


伝統的な建物。


明朗。一目でわかる。


昔ながらのバーバー。


昔ながらのお店。


紅殻格子と石畳のひがし茶屋街。

夜になれば、三味線の爪弾きなど、聞こえるのかな。


閉店間際ではありましたが、「茶房 素心」へ。
冷たくて美味しいオレンジジュース。そして、しっとりとした良い眺め。


すっかり暗くなった茶屋街。

今夜の晩ご飯は、そんな中にある老舗洋食店自由軒」。


ようやく、朝のお寿司を、消化しきったようです。
夜もOKの「ランチ」を注文。1890円也。「自由軒」の洋食の味を楽しめます。
カウンターに座って、野球の中継を眺めながら、まずは美味しい自家製ドレッシングのかかったサラダと、生ビール。


ジューシーなデミグラスソースのハンバーグ、ご飯が進むポークジンジャー、ベシャメルソースの海老フライ、まったりクリームコロッケ。ご飯とおみそ汁も。

海老フライを見た時に「あれ?ベシャメルソースは?」と思いきや、なんと、衣の内部に、ベシャメルソースがたっぷり。すごい!
とっても美味しゅうございました。


ひがし茶屋街は、観光客が消え、すっかり夜の雰囲気。粋。


こうして、一日目は終了。

普段、旅先ではなかなか寝付けない&眠りが浅いのだが、疲れたのか、朝まで爆睡す。


               ◆


そして二日目。
爽やかな目覚め。おはよう金沢。
高層階から金沢の街を眺めながらの朝食バイキング。


ホテルは、近江町市場のすぐ近く。
というわけで、朝食後、チェックアウトまでの間を利用して、朝の市場へ。

まだ9時なのに、行列が出来ている海鮮丼店。焼きたてで見るからに美味しそうな鰻が並ぶ鰻店。とれとれピチピチの魚を並べている最中の鮮魚店。色鮮やかな野菜が並ぶ八百屋。などなど。
朝は、昼間より空いている上に、品物も豊富なので、とってもいいですね。

ダイヤモンド食品にて、ビーバー(お菓子)、とり野菜みそ、金沢カレーほたるいかの干物などを買い込み、ぶらぶら。
友人がオススメしてくれた、どじょうの蒲焼きをゲット。昨日はどこも売り切れで買えなかった。ほろ苦さの中にコクがあって、これは日本酒が欲しくなりますね。


赤皮甘栗かぼちゃを買う。


そして、今日もやっちゃった。岩牡蠣。さっきのどじょうといい、朝ご飯食べたばかりだけど。

これは、昨日とは違うお店で。700円もの。10センチくらいかな。じゅうぶん過ぎるほど美味しい!お皿がファンシー。


豆腐屋さんで、豆乳。濃厚な畑のミルク。あーもう満足。


さぁ、そして、ホテルを後にし、タクシーで、さるお方のお野菜が販売されていると思われる「ほがらか村」へ。


直売所は、大盛況。日用品も売られているのですね。
見慣れないお野菜もたくさんあって、楽しい。

度肝を抜かれたのが、こちらのスイカコーナー。スーパーボールすくいのように、スイカがどっかんどっかん。これは風景の一部。


プチトマトを始め、くるま麩、白なすなどを買い、満足。
このへんは、あまりタクシーは通らないだろうなと思い、さっきのタクシーの会社の電話番号を教えてもらったので、一台、配車してもらう。
来てくれたタクシーの運転手さんは、コワモテ&金髪パンチパーマだった。
しかし、穏やかで、スコブル感じの良い方で、「金沢の寒暖について」語り合いながら、金沢駅へと走ってもらった。


金沢駅
近代的モダンな建物。
高い天井は青空を写し出す。


鼓門。アカペラコンサートかな。イベント中でした。


容赦なく照りつける陽射しの中、バスに乗り込み、広坂にて下車。
このへんは、古い建物が多くて、素敵。


金沢県庁前。
柔道金メダルの松本選手、おめでとう。


しいのき迎賓館へ。

古い建物をリノベーションし、ギャラリーや、交流室、「ポールボキューズ」などが入っている。アボリジニアート展開催中だったので、拝見。
上階にあるステンドグラスなどの意匠も、素敵。



そして、金沢21世紀美術館へ。
昔来たときは、時間がなく、30分で廻らなくてはならないという状態だったので、今回はゆっくり見てやろうという魂胆。
丸い外観の洗練された建物。内部は、レアンドロの「スイミングプール」や、マイケル・リン「市民ギャラリー2004.10.9-2005.3.21」など、私用写真撮影可の部分もありましたが、ネットやブログなどに載せないでネ、と美術館のHPにございますので、お写真は外観のみで。

恒久展示の他、「工芸未来派」「ソンエリュミエール」「フェデリコ・エレロ×関口和之」を拝見。
なかには、ちょっと私には難し過ぎて解らないアートも多々ありましたが、脳みそが柔らかくなるというか、とても楽しかったです。
「工芸未来派」の、伝統の中に遊び心溢れる大皿が良かった。童子の両腕から龍がとぐろを巻きながら飛び出している絵柄など、その精緻さに感動。「ソンエリュミエール」には、草間彌生の部屋があり、暗闇の中に家具が配置され、蛍光の水玉シールが部屋全体に貼られ、ブラックライトに照らされ、「草間ワールド」全開。

というわけで、芸術家の美を1ミリも表せないのでありますが、私の絵で、一部、紹介。
恒久展示のアニッシュ・カプーア作「L'origin de monde(世界の起源)」
。コンクリートの傾斜のある壁に、黒い楕円形。吸い込まれそうなのか、逆に何かがわき上がってくるのか。


今回、楽しみにしていた「フェデリコ・エレロ×関口和之」。
フェデリコ・エレロが作り出したほんわかとした色彩豊かな、カワイイ造形空間の中で、「Aloha!Amigoーウクレレのある生活」と題された、ウクレレプロジェクトが開催中。

毎日14時くらいから、ウクレレチャレンジあり。
参加したかったのだが、時間が中途半端だったので、今回は、このカワイイ造形の上に座ってみたり、置いてあるウクレレに触ってみたり。
実際はとってもほんわかしたカラフルな空間となっております。

恒久展示のレアンドロの「スイミングプール」が、やっぱり人気。水を張ったスイミングプールの上から水底を覗くと、地下部にいる人が、ゆらゆら見える。逆に、地下部から上を覗くと、日の光を受けた水色の空間に水紋が反射し、夢の中にいるよう。
地上の人は地下を見つめ、地下の人は地上を見つめ、知らない者同士がそこで顔を合わせる。不思議な楽しさ。

やー。楽しゅうございました。

お昼下がり、美術館を後にし、お昼ご飯。
昨日から、バスで街中を走るたびに、目についた気になるお店「ターバンカレー」へ。

金沢のカレー店のようですね。
これは、ターバンカレーの小。450円。

中、大、特大、とある。
他のお客さんたちは、これにカツや生卵をトッピングしたりして、モリモリ食べていた。しゃきしゃきの生キャベツの千切りが、まったりまろやかなカレーと合って、美味!


再度、冷房の効いた、しいのき迎賓館を見学して後、周遊バスに乗り込み、兼六園下や、繁華街をぐるっと回って、金沢駅へ。
百番街の中にある「廻る富山回転寿司 すし玉」へ。
岩牡蠣食べたけど、どじょうも食べたけど、お魚、食べてないもんね。
と思い、いざ。
旅行中って、胃袋、おかしくなりますね。

回転寿司、とありますが、私が入った時間帯は、既に夕方前だったので、空いていたせいか、回っているのは、メニュープレートや、ジュース類のみ。
というわけで、回転寿司でありながら、目の前の寿司職人さんに、サシで握ってもらいました。

手前、ガス海老。奥の方は、朝どれ三種盛り。手前が、高級魚のどぐろ。


地酒をいま飲まず、いつ飲めというのか。
冷酒で、天狗舞。1合。すっきりして飲みやすい。


白海老の唐揚げ。


ホタルイカ


ホタテのあぶり。


ご馳走さまでした!

金沢百番街で、お土産を物色しつつ、色んなお店を見て回る。
目をつけていた「落雁 諸江屋」の濃茶楽雁。生の楽雁である。中に甘さ控え目なあんこが入っていて、ひゃー、上品な美味しさ。購入。


更に、加賀棒茶「丸八製茶場」の、やたら惹かれるお茶のティーバック。


目新しいものを色々と発見して、楽しい。
鰤を棒状に乾かした棒鰤。たらこの缶詰。ふぐの子糠漬け。などなど。


地酒販売店にて、試飲機発見。50ml出てくる。
せっかく(?)なんで、金沢限定の幻のお酒、と銘打たれた「御所泉」の原酒を。

うはー。
さすが、濃い。美味しゅうございました。


友人より「笹寿司の鯛と鮭がおすすめ」とメールを頂いたので、帰りの道中用にと、おすすめ通りに、鯛と鮭を購入し、高速バスの出発時間まで、「金沢ちとせ珈琲」で、最後の最後にブレンドコーヒー。

どんだけ飲み食いしてるのか。
旅行腹、と名づける。


17時に、金沢駅より、京都に向かって出発。
さらば、金沢!
なんて美しい街なんだろう。
しかも、お魚が新鮮で美味しくって、和菓子文化が成熟しているだなんて、もういいこと尽くしじゃないですか。
素晴らしかった。また来ます!


車中にて、名神高速渋滞中に、先ほど購入した、オススメの笹寿司を食べるべく、包みを開き、ハッと気づく。
しまった。間違って、笹寿司ではなく、柿の葉寿司を買っていた。


でも美味しかった。


途中、激しい雨に見舞われつつも、無事に京都駅に到着。ただいま京都タワー。さらば二階建て高速バス。


そして朝を迎え、さるお方様作(と思しき)プチトマトを、そのまま頂いた。
身のきゅっとしまった感じ、かみしめると、甘酸っぱさとともに、「じわっ」とした、なんともいえない旨味が広がる。
おいしい。あっという間に食す。


夏季休暇を終え、明日からはいつもの生活に戻る。
旅行で贅沢した分(特に牡蠣)、特に頑張って働こう。
そしてまた、この世界の色んなところで、旅の最後に、暖かい珈琲を飲むのだ。