yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

原付ねこじゃ号、冬の野を行く

昨夜、雪の中、ガス欠になり、灯のない闇の中、ゆるやかな坂道を押して汗だくになって帰宅した、という日記を、昨晩、書かせていただいた。

今日は、隣町のヘアサロンに行かねばならぬ。
家から一番近いガソリンスタンドまで、原付ねこじゃ号を、押して歩くことにした。
よく考えたら、昨日はゆるやかな上りだったから、今日は、ゆるやかな下りだ。
なんだ。それなら楽勝じゃん。30分くらいで着くかな?

というわけで、田園を行く。


ご近所さんの無人販売棚。水菜、高菜など。


子どもの頃は、こういう所を滑ったりして遊んでいた。


水仙


田植えの季節を待つ田圃


通学していた小学校の塀。この木はその事からあったんだろうな。


いつも原付で通り過ぎる道を、歩いてみるというのも、なかなかいいものだ。


ふふ。これくらいの距離なら、余裕。
と、順調に、iphoneで撮影しながら歩き続け、前方に、ガソリンスタンドが見えてきた。
道路を渡り、スタンドに近づいて、私は息を飲み込んだ。

定休日。閉まってる。

閉まってる!

閉まってる!!!


30秒くらい呆然としてから、iphoneの地図を検索し、ガソリンスタンドを検索するが、このエリアには、他にガソリンスタンドは、ない。
隣町に行かないと、ない。ないったらない。

え…。
ほんとに…?
ほんとにお休みなのですか…?

ガソリンスタンドをじっと見つめても、人の気配はない。
いま、ここに、レギュラーガソリンがたっぷりあるのに、それを入れることは、出来ない。

どうしてこんなことに…(自業自得)。

仕方ないので、隣町方面に向かって、歩く。
田園地帯を抜け、車通りの多い道になってはいくが、それでも街ではない。

梅が咲いていた。


竹のような清いこころで生きていこう。これからは。


歩く私の側を、ガソリンスタンドにガソリンを運ぶトラックが、通り過ぎていく。
……。
これは、あれですね。大海原で遭難して、一人、ボートで漂っている時に、遙か向こうに貨物船が通りかかったものの、船にはシーチキンの缶詰しかなく、どーにもならない。そんな感じに似ていると思う。

30分ほど、とぼとぼと歩き、ゆるやかな坂道にさしかかった。
ここを過ぎて、あと15分ほど頑張ったら、ガソリンスタンドがあるはず。
己の人生の色々なことを思い出しながら、ねこじゃ号を押していると、背後から、眼鏡をかけたおにいさんが走ってきて、「ガス欠ですか?」と声をかけてくれた。
おにいさんは、近所の人で、車やバイクのお仕事をされているようだった。「スタンドまで、まだもう少しあるし、僕ので良かったら少しおわけしますよ!」

わーーーーー!!(こころの中で感涙)

そんなわけで、恐縮しながら、その方のガソリンを、少し、分けてもらった。

うう。助かりました。本当に。
お礼をと申し上げましたが、「いやいやいや、100円分も入れてないし」「いいえ!そんな」「いやいやいや」「でも」「じゃあ、今度缶コーヒーでも」と仰った。
珈琲セットを持参し、お礼に伺いたい気持ちでいっぱいである。

というわけで、原付ねこじゃ号は復活し、近くのガソリンスタンドまで走り出し、「レギュラー満タン、現金で!」と、燃料をたっぷり入れてもらいました。

通常、10分ほどで到着する隣町まで、1時間半ほどかかりましたが、暖かなお心遣いのおかげで、人生ってのは苦あれば楽ありって本当だな、と実感。


そして、ヘアサロンに辿り着き、カット、パーマ、カラー、とたっぷり4時間、お世話になり、まさに気分転換、春っぽい髪型にしてもらった。
明日からは、また悲鳴が出そうな忙しい年度末がやってくるが、がんばりまっしょい。