yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

認知症病棟

土曜日、母、入院。
友人に車を出してもらい、施設まで迎えに行った。
家族のみだと大騒ぎする可能性が高いので、友人という第三者に登場してもらうことで、母を比較的落ち着いた状態で連れて行く作戦である。

「家に戻れる」と思っていた母にとっては「ええー!?」という感じだった。
そりゃそうだろうな。ごめんね、と心の中で思いつつ、病院へ向かう。
母の中でせめぎ合いがあり、「いやだ」と抵抗する気持ちと「迷惑かけて申し訳ない」という気持ちが拮抗している。こちらもドキドキする。
かなり渋々、時にはヤケクソ気味、逆ギレされつつも、なんとか、入院手続き完了。

しかし、これで家に戻ると「助けてー!病院連れてってー!」と24時間大騒ぎなのである。
家にいたらいたで大騒ぎで、状態も悪化する。私と父の負担も半端ない。
そう思うと、今の施設の短期入所が、母の気質的には合っていると思う。顔見知りのケアマネさんもいるし、介護士さんや看護士さんとも、仲良くしていた様子。
しかし、色々な介護制度のくくりや、経済的なところもあって、ずっとそこにいるわけには、いかない。叔母、ケアマネさん、私の三人で懇々と討議した上での処置である。本当に試行錯誤だ。


しばらくの間、入院するのは、認知症専門の病棟である。
ナースステーションと食堂を中央に、回廊になっていて、徘徊する高齢者がどこにいても迷わないようになっている。その廊下脇に、各部屋がある。
母が着いたとき、ちょうど昼食の時間だった。
「おなかすいたおなかすいた」と、しきりに訴えていたので、椅子に座るなり、周りの高齢者の方々にまざって、ものすごい勢いで食べ始めた。
見ていると、なかなかのボリュームであった。私のお昼ご飯より、断然豪華だ。
私と友人は、母の脇に座り、母が食べおわるのを見守りつつ、周りを観察した。
母は「いやじゃ!」という空気を全身で醸し出し、愚痴をこぼしつつも、「おかわり!」とごはんのおかわりを所望していた(もらってませんが)。
延々と不穏な愚痴を吐き出し続ける母に、ふと、隣で静かに食事をされていたおばあさんが、話しかけてくれた。
「はじめまして…あの…どうぞ、仲良くしてくださいね」と。
母は一気に笑顔になり、私と友人は、ニヤリと顔を見合わせた。
おばあさんは、「え。どこが認知症なの?」と思えるご様子だった。ご自分もまだここに来て日が浅いこと、他府県から来ているので家族となかなか会えないこと、など、穏やかにお話しされていた。


椅子に座っている私と友人の周りには、認知症のおじいさん、おばあさん方が沢山いらっしゃった。
その症状は、人それぞれ。
黙ってご飯を召し上がっている方、激しくわめいている方、それをじっと微笑んで見守っている方、机につっぷしている方、じっとこちらを見ている方、看護士さんに食べさせてもらっている方…。
静かにされている方には、こう、どこか、「欲も得もない」「菩薩のような」「無心」といった印象を受けた。
ここにいるおじいさん、おばあさんは、ほとんどの方が、戦争を乗り越えて、日本の発展のために、社会のために、家族のために、夫のために、妻のために、子どものために、必死で生き抜いてこられた方ばかりなんだろうな。
なんともいえない気持ちになった。


友人と病院を後にし、「天下一品」でこってりラーメンを食べながら、認知症について語り合った。母の様子を見つつ、病院、施設短期入所、自宅を組み合わせながら、引き続き、経過をみようと思う。


土曜日の晩御飯。シュウマイ、麻婆豆腐、豚肉の生姜焼き、塩麹胡瓜サラダ。食べながら、遅くまで友人と介護について討議。

お風呂ももらって帰宅。ひとさまのおうちのお風呂って、新鮮。


日曜日、疲れていたのか、11時近くまで寝ていた。階下では、父がワールドカップを観戦していた。父には、今の元気を出来るだけキープしてもらいたい。
というわけで、週に一回のペースで、機能訓練サービスに行ってもらうことにしようと考えている。通常のデイサービスではなく、器具などを使い、運動不足解消と、筋力の衰えを予防し、おやつを食べて帰ってくるサービスである。
もう、どんどん介護サービスに詳しくなっていく自分がいる。今後、周りの誰かが困った時に、アドバイスできるかも!など、思っている。

晩御飯。なんか食べ散らかし始めてる写真ですが。野菜サラダ、フライ盛り合わせ(いただきもの)、かつおのたたき、いわしのみりん干し、きんぴらごぼう、椎茸とえのきの食べるラー油ポン酢あえ。


そしてまた、ひとさまのお家のお風呂に入って、あとはもう帰って寝るだけ!状態で帰宅。
今週の水曜日は、創立記念日でお休みである。
嬉しい反面、お給料が減るのが、ちょっとね。