yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

みこし弁当

祇園祭も後祭(あとまつり)。
先日、三基の御神輿が市内を練り歩き、八坂神社に帰ってくる還幸祭がありました。
そんな御神輿のルートに当たる、市内の商店街で、毎年恒例の演奏をさせてもらいました。

近畿は梅雨明け。道路の気温計を見ると36度。
見るんじゃなかった。
少し早く来て欲しいと言われていたので、汗でまとわりつく浴衣の裾をさばきながら控え室に到着し、連絡をくれた笛方さんとお寿司屋さんへ。空を見上げると、青空の下に、不穏な灰色の雲がもくもくと…。
皆で食べるお寿司を運び、別働隊と合流して楽器を運んだりしている内に、やや激しめの雨が降り出しました。 
梅雨明けの夕立ですかね。
京都の湿気という湿気が、全てここに集まっているんじゃないかと思いました。

お寿司と出汁巻。演奏前の腹ごしらえ。

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所定の場所で演奏したり、練り歩いたり。
祭事に関わる人々の姿も多く、とっても賑やかでした。
御神輿自体は見る事は出来なかったのですが、担ぎ手の白装束の人たち、神事に関係する狩衣姿や袴姿の人たち、そして白馬に乗った長刀鉾のお稚児さんの行列も。
お祭りに関わるのは全員男性で、和装の衣装の出で立ちが、とても素敵でした。

ひどい湿気で三味線の調弦が非常に狂いやすく、さらに手汗でべとべとして「ああ、そうそう。京都の屋外での演奏ってこうよね」と、夏の始まりを文字通り肌で感じました。

演奏のあいま、皆にお弁当をいただきました。
私も初めていただいた珍しいお弁当です。

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三基の御神輿のうちの一つ、中御座(なかみくら)をかつぐ三若(さんわか)のみこし弁当です。
神輿の担ぎ手の為の、精進潔斎した氏子男衆の手によって作られたもの。当日の朝に作られるそうです。もちろん非売品で、滅多にお目にかかれません。
黒ごまをまぶした白ごはん、梅干し、おこうこ(たくあん)。

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とっても男らしいお弁当です。
滅多にというか、もう二度ともらえないかもしれません。
帰宅してからいただきましたが、これが、やたら美味しい。炊きたてではないのに。
あれ?白ごはんって、こんなに美味しいの?と思いました。柔らかすぎず固すぎない絶妙な仕上がり。梅干しもおこうこも塩梅が良くて、美味しかったです。
竹皮で包んでいる効果もあるのかもしれませんね。
縁起物というか、力がつくような気がします!

無事に全演奏を終え、打ち上げでビール専門店に行きました。本当にビール専門、ソフトドリンクやノンアルコール系は一切なし。徹底してます。
持ち込みOKだったので、原付で来ていた私は、同じくノンアルの人と、お店の前の路面席エリアにいたメンバーの席に移動し、自前のお茶とコーヒーで乾杯しました。

中では皆が美味しそうに生ビールを飲んでいる。
いいなぁ…羨ましい。
お店の中から数人が外に出てきて、5、6人で、特に音楽とは関係のない話で盛り上がりました。
夜の商店街の街灯がほんのり辺りを照らす路面で、滲む汗を手ぬぐいで拭き取りながら、楽しく過ごすひととき。
夏場の演奏は暑くて消耗する時もあるけど、今年もこうして演奏出来て良かったな、またやりたいなという思いにさせてくれます。
自分がいつか三味線を弾けなくなったり、参加出来なくなったら、きっと今夜のこういう空気感を、懐かしく思い出したりするんでしょうね。