朝5時の東の空。
台風10号が接近中。
同僚らとも相談し、本日の出勤はお休みする事にしました。朝は出勤出来そう、しかし電車が止まり帰れなくなる可能性がある。
晴れたり曇ったり雨が降ったり、窓の外の様子を眺めつつ昼食作り。炊き込みピラフです。
さて。降ってわいたお休み時間なので、週末の本番に向けてお稽古をすべし。
と思い、三味線を組み出し…「!!!」となりました。
糸を緩めたり締めたりして音の高さを変える「糸巻(いとまき)」という部品があるんですが、それがびくとも動かなくなってました。
いやいや。
そんな。
すぐ直るよ。
すぐに。
軽くコンコンしてみたり、反対側に引っ張ってみたり、なだめたりすかしたり、叱咤激励すること10分経過。全く動かず。
どうしよう!
代わりの三味線はあるけれど、本番用ではないし、緊急で修理を頼むにも、お盆中やから職人さんもお休みやろうし。
クーラーを効かせた部屋ですが、額から汗がダーッと出ました。
諦めて練習用で本番に出る?
三味線仲間から借りる?
いや待て。まず文明の利器に頼ろう。
スマホで、「三味線 糸巻き 動かない」とネット検索してみると、まぁ事例が出ること出ること。ちょっとホッとしました。よくあることだそうです。
屋外演奏が多い割に、奇跡的に今まで起きなかっただけなのですね。
梅雨の湿気の多い時期や、夏場の高温期など、糸巻に使っている黒檀や象牙は、膨張し、動かなくなるらしいです。
対処法としては、慌てずにゴムなどを使って回してみるか、冷やすこと。あるいは職人さんに見てもらうか。
ここで焦って力任せに糸巻を捻ると、バキッといっちゃうんですね。
というわけで、冷やす事にしました。
三味線は大きく三つに解体して持ち運べるようになっています。
解体し、糸巻を含んだ部分のみ、冷蔵庫の中で1時間冷やします。(となりにマヨネーズがありますが(^◇^;))
ビニール袋に包んだ方がいいかもです。
他に、冷凍庫に短時間入れるか、冷えピタを使う手もあるそうです。保冷剤も良さげです。
待つこと約40分後、冷蔵庫から取り出だしたる三味線の糸巻に、我が膝ゴム(演奏時に滑らないように膝に置くゴム)を巻き、むんずと捻るとあれよあれよ、キュルキュルという音をば立て、糸巻まるで生き物の如く緩み回りけり。
ハイ、喜びのあまり、思わず歌舞伎台詞調になりました。
冷蔵庫の前で万歳三唱する私を、お盆休み中の主人ネコ男氏が「何をやっとるのだ」とばかりに白い目でこちらをチラッと見ていました。
三味線を片付ける時、糸巻は「ゆるふわ」にしているつもりでしたが、移動や何かの際にいつのまにか締まったのかもしれません。
週末の本番で初挑戦するのは、アイリッシュ音楽です。
キーは高く、速い曲はとても速い。なかなかのじゃじゃ馬ぶり。しかし、やり甲斐があります。
笛の相方さんは、アイリッシュでライブにも出ていた人なので、後は私の仕上がりにかかっています。「お互いがお互いを喰うつもりで音を前に出そう」と話しています。
その時の自分が持ってる全部を出せたらいいなぁ。
夜、アイリッシュさをチャージすべく、ギネスの黒ビールをば。「映え」を一切無視した写真ですみません。クリーミーな泡とコク深さがとても美味しいです。いつか本場で黒ビール呑んでみたいものです。