朝6時に起床。
窓の外を見ると、夜中降り続いた雨は止み、青空が見えていました。
朝イチのバスに乗る為、宿の朝食は抜きにしてもらい、部屋でパパッとビスコを食べ、チェックアウト。
おお、フロントに紀州犬キャラのきぃちゃんがいました。
とても良いお宿でした。また熊野に来るときは、お世話になりたいと思います!
熊野本宮前に車を預けて、発心門(ほっしんもん)王子行きの始発バスを待ちます。気合入れて始発にしたら、バス停には私以外誰一人おらず。雲の狭間から顔を出したお天道様を眺めました。
目の前には、熊野本宮大社の森。
発心門王子から熊野古道を歩き、熊野本宮大社までの、約2時間半程度のルートを経て、ここに戻ってくる予定です。
バスは貸し切り。雨とダムの放流で増水した茶色い熊野川を右手に、山の中へ入って行きます。そして終点、発心門王子で下車。時間にして20分くらい。
「おー。山の中ですごいな」と何も考えずに歩き出し、すっかり、肝心の発心門王子に立ち寄る事を忘れていました。
ちなみにちゃんとした地図も予備知識もなく、スマホで撮影しておいた本に載ってたルート地図だけが頼りでしたが、道標がありましたので、安心でした。
椎茸の木を眺め、いざ、スタート。
日本ミツバチの巣箱がありました。
歩き出してすぐは、静かな集落。前方の無人販売所らしき小屋の犬小屋?から、紐に繋がれた猫が飛び出して来ました。
えっ!猫!?
猫好きな私はボルテージ急上昇。
猫は私を一瞥し、地面の草を食べ始めました。
「猫ちゃーん、猫ちゃーん」
かがみ込んで呼ぶと、猫は「ん?」という感じで顔を上げ、「ニャーン」と鳴き、私の元にやってきました。
ゴロゴロスリスリ状態で、即座に私の膝の上に乗ってきて、顔をペロペロ舐め(味見?)、ひたすら神対応!今までの人生でここまでベッタリ懐いてくれた子はいません。
私のマウンテンパーカーの中に潜り込む。寒いのかな?
ゴロゴロと全力で甘えてくれました。
別れづらい!しかし行かねばならぬ。
後ろ髪をひかれつつお別れし、ふと振り返ると、すでに何もなかったかのように、お水をペロペロ飲んでいました(笑)
とっても可愛い子でした。きっと、熊野古道を歩く旅人に可愛がられているんでしょうね。
再びスタート。
八咫烏の木彫り。
林道が始まりました。
水呑王子跡。
おお、より一層、それっぽくなってきました。
枝打ちされた美しい林が続きます。
朝早い事もあり、来る人もなく、向かうのも私一人。
青い可愛い花。
熊が出ませんように…!
お地蔵様。
おそらく音無茶の茶畑。熊野界隈で作られるお茶です。
遥か向こうに果無(はてなし)山脈。カッコいい名前。
田園地帯を少し歩きます。
伏拝王子。
休憩のお茶屋さんがありました。朝なので営業前です。
かつて、長い長い距離を歩いてやってきた熊野詣の人達は、伏拝王子にたどり着いたときに、喜びに伏して拝んだ、とのこと。なんかわかるなぁ、その気持ち。
森の中をひたすら歩きます。
木の肌についた緑色の苔から、透明の滴がポタポタと垂れていて、何だか神秘的なものを見ているような気持ちになりました。自然のサイクルというか、ベタなことを書きますが、「あー。こういうのが、命なんやな」と思いました。
時折差し込む日の光。
このあたりから、足場に水が流れている箇所が増えてきました。昨日までの雨の水が、山の上から流れてきているみたい。
地質的なものかと思いますが、泥水ではなく、透き通った美しい水で、「これが熊野川になるんかなぁ」と思いながら、歩きました。
橋を渡り、一旦住宅地に出ます。この辺りに住んでらっしゃる方は、世界遺産のど真ん中におられるんですね。
関所のようです。
木の根がすごい道がしばらく続きます。
ちょっと寄り道。
行きますとも。
5分ほど林道を行くと、開かれた展望ゾーンに出ました。旧社地、大斎原(おおゆのはら)の大鳥居が見えます。思わず「うわーい」と声が出ます(誰もいないのでね)。
祓殿石塚遺跡。
道標に熊野本宮大社の文字が出てきました。
もうすぐ!
ここで本宮大社に入る前に、御祓いをされたそうです。
しばらく歩くと、鳥居が見えてきました!
熊野本宮大社の入り口です。
熊野古道から来ると、通常の表参道ではなく、本殿の裏手から入る形になります。
発心門王子からここまで、時間は測ってませんが、だいたい2時間くらいだったと思います。
キツイ登りはなく、比較的歩きやすいコースでした。ただ、野生動物やスズメバチなどが出てくる可能性もあるので、油断は禁物。
今回は、雨上がりで足元は微妙でしたが、「森が生きている」という感じを味わう事が出来ました。とっても楽しかったです!
その8へ続く!