途中、超大人気ラーメン店「無鉄砲」の店の前を通り抜けました。何年か前に来たので「そうかそうか。この辺だったのか」と嬉しくなりました。
薬師寺から約30分ほどで、浄瑠璃寺に到着。
奈良と京都の境目に位置。一帯は古来より南都仏教の聖地として、小田原別所と呼ばれていました。
車でないとなかなか大変そうな、山の中の静かな集落です。
有料の駐車場に車を預け、参道へ向かおうとすると、猫が道路を横切りました。
猫好きとして「ああっ!待って」と慌てて撮影したのがコレ。
参道方向へ進むと…おぉ!
おぉお!
沢山の猫が。飼い猫なのか野良猫なのかは分かりませんが、白い猫たちは私に警戒心MAX。「ウゥ…シャアア!」と威嚇態勢。
「こわくないよ〜こわくないよぉ〜」と、私が彼らだったらこわいだろうな、と今は思う様子で話しかけますが、このままでは猫パンチをくらうので、すました顔で参道へ。
山里の寺院の風情があります。
20年くらい昔、みうらじゅん氏&いとうせいこう氏の「見仏記」を何度も読み返し、「イケてる住職、略してイケ住がいる海龍王寺」と「みうらじゅん氏の心の恋人、吉祥天女のいる浄瑠璃寺」が、特に心に残っていました。
ずっと来てみたいと思っていたので、嬉しいかぎり。
浄瑠璃寺は、九体寺ともいい、国宝の本堂に九体の阿弥陀仏を安置されています。
創建当時のご本尊が薬師仏であったので、その浄土である浄瑠璃世界が、寺名の由来だそうです。
境内には、まばらに数人の人影があるのみで、実に静かです。
吉祥天女さんは決まった時期のみのご開帳。うーん、そのタイミングで来ていたら良かったですね。
ご開帳の時期は、たくさんの参拝者が来られるんでしょうね。
国宝、藤原時代から残る九体阿弥陀堂。
当時の京都を中心に競って建立された九体阿弥陀堂としては、現存する唯一のお堂。
太陽が沈む西方浄土へ迎えてくれる阿弥陀仏を西に向かって拝めるよう東向きにしています。
社務所あたりに、たむろっている猫たち。
みんな人馴れしていて、撫でさせてくれました。
お堂は900年くらい前からの建物なので、堂内の照明は最小限、自然光でのお参りです。
はるか昔は、こういう感じだったんだろうなと思います。
お堂の中には、国宝と重要文化財の仏様が、ずらーり。本堂中央にはひときわ大きな阿弥陀如来中尊像。九体阿弥陀如来像は2体が修繕中でお留守。子安地蔵菩薩像。持国天と増長天。不動明王と二体の童子像。
そして閉じられた厨子の中に吉祥天女像。
静かな阿弥陀堂の中で、国宝の仏様方が手の届きそうなところに。うまく言えませんが、距離が近いせいか存在感がすごくて、美術品ではなく信仰の対象であるという事を、身をもってビシバシ感じました。
仏様方は長方形の台座の上に鎮座されてますが、紋様が施され、ここから先は仏の世界なんだなと思いました。
10分ほどで外に出ましたが、もう少しあそこにいたかったなぁといまだに思うほど、ここ、最高でした。
国宝の三重塔。平安時代の1176年、京都一条大宮から移されたきたもの。
秘仏、薬師如来が安置されています。こちらもご開帳時期が限られています。
塔の石段から。
池をはさんで、東の薬師であるこちらは此岸(この世)。西の阿弥陀である池の向こうは彼岸(あの世)。
あの世からこの世へ戻ってきた心地。
池のほとりに猫。何か狙っているのかな。
おっと。目が合いました。
空が反射して、水面もあの世とこの世みたい。
境内を出て、参道にて。落ち葉の上を進む猫。
そして先ほどの猫エリア。相変わらず皆さん思い思いに過ごしています。
かわいい…。
右手の黒白タキシード猫が、懐いてくれました。「あ、ボクが担当なので、好きなだけ撫でてくださいハイ」といった感じで、ゴロゴロスリスリしてくれました。
こうなるともう「カワイイねぇ〜カワイイねぇ〜いい子だねぇ」と、岩合光昭氏のような口調で撫でる。
あぁ後ろ姿がたまらない。
と、私がタキシード君と戯れていると…。
先程まで警戒モードだった他の猫たちがですね。続々と「に…にゃーん」と鳴きながら近づいてきて、身体をすりつけてくるではありませんか。
「べ、別にアンタのこと好きなわけじゃないんだからねっ!ちょっと背中がかゆいだけなんだから!ホラ早く撫でなさいよね!」と言わんばかりのツンデレ具合。
「も〜分かってるって。ホラこわくないでしょ〜いい子だねぇ」と最後はモフモフ状態でした。
来て良かったホントに!!
車に戻り「最高やな!」と思わず大きめの独り言を呟いてました(笑)
正午過ぎに京都の自宅に帰還し、しばしお昼寝。
今回も知的好奇心が刺激されるような、いずれも素晴らしく、そして癒されるようなお参りでした。
最後に猫と戯れるというおまけもあり、大満足です。
ちなみに「くるみの木」のランチを久しぶりに食べたかったのですが、定休日でした。残念!またリベンジしたいです。