最終日の朝。お世話になったホテルの朝食。
毎日これを美味しくいただきました。あご出汁アツアツのソップ飯。
長崎市街地から走ること、約1時間で外海(そとめ)町に到着。
遠藤周作の「沈黙」の舞台となった、潜伏キリシタンの歴史を持つ町。いくつかエリアがありますが、今回は黒崎地区に来てみました。
参道入口。
サン・ジワン枯松神社。
日本人伝道師、バスチャンの師であるサン・ジワン神父をお祀りしています。日本に三ヶ所しかないとされるキリシタン神社。周りはキリシタン墓地となっています。
江戸時代、黒崎地方の潜伏キリシタンが密かに集まり、オラショ(祈り)を、捧げ伝習した聖地。
祈りの岩。迫害時代にキリシタンたちは、「悲しみ節の夜」にここに来て、寒さに耐えて岩影でオラショを唱えた、と伝えられています。
通常の神社とは違い、鳥居や手水舎はありません。
御本殿と呼んでいいのでしょうか?
サン・ジワン神父をお祀りしたお堂で、中は閉められています。
静寂に包まれ、神秘的な空気が漂っていました。
いつもは二礼二拍一礼の作法で参拝しますが、ここはちょっとそれは違うと思ったので…一礼だけしました。
御礼を申し上げて、ふと足元を見ると、石の上に白い小石で十字架などが作られている事に気づきました。うっかり足を掛けてしまいそうなほど、さりげなくあります。
小石の十字架を見た時、なんだか歴史の重みに感動しました。
ちなみに、これは昔の潜伏キリシタンの方のお墓だそうです。サン・ジワン神父の近くで眠りたいという事だと思います。
そういう意味では、弘法大師が眠る高野山奥の院の手前にある広大な墓地のような感じなのかな。
枯松神社から車で移動し、カトリック黒崎教会へ。
明治時代に外海で活動していたフランス人宣教師であるド・ロ神父の指導で造成され、大正9年に完成した教会です。
信徒が奉仕と犠牲の結晶として一つ一つ積み上げた煉瓦で作られています。
聖堂の入口。内部見学は無料で自由となっていますが、信徒の方々の祈りの場であるので、十分な配慮が必要です。中に献金箱があるので些少なりと寄付した方がいいだろうと思います。
靴を脱ぎ、本当に入っていいのかな?とネコ男氏と話していると、タイミング良く、背後からシスターの女性が現れました。とても感じの良い方で、快く中に入れて下さいました。
許可をお伺いし、中を撮影させてもらいました。
深い奥行きを持つ内部は、リブ・ヴォールト天井と呼ばれています。ステンドグラス越しに差し込む外の光が、とても美しいです。
聖堂の中は静かで、あまり外の音は聞こえませんでした。どんどん心が静かになるような、しばらくここでぼんやりしたくなる、素晴らしいところでした。
先程訪れた枯松神社は、弾圧された信仰の歴史を感じました。ここには、隅々に地域の方々の信仰が根付いていて、大事な場所なんだなと思いました。
今回、潜伏キリシタン関連の文化遺産群は、是非訪れたいと思っていました。
黒崎の他にも、近くの出津集落や崎津集落、そして五島列島など、まだまだ訪れてみたい場所は沢山あります。
今回はこれで長崎から離れますが、またいつの日か機会があれば!
ここから一気に福岡へ。続く。