さて、桂川を渡り四条通りを走ること約5分ほどで、梅宮大社に到着。
楼門に入る前に、西側にこちらのお社がある事に気づきました。もう何度も梅宮大社に来ているのに、今まで全く気づかず。
西梅津神明社。
梅宮大社の末社で、2012年に旧西梅津村の神明社を移築したそうです。
背後と左手に賃貸住宅。境内は綺麗に整えられています。
さて、楼門をくぐります。ここは神社の猫がたくさんいるのですが、今日はどうかな。
拝殿。江戸時代の造営。
唐破風造りの拝所の向こうに、本殿があります。
橘氏の氏神とされ、奈良時代に綴喜郡井手町に創祀されたそうですが、平安時代前期に檀林皇后(橘嘉智子)が現在の場所に遷座。
御祭神は酒解神(さかとけのかみ)。ほか3柱の神様。
手前の狛犬さんたちが小さめで、可愛らしい印象を持ってしまいます。
参拝後、上の方から「ガァガァ」「カァカァ」と色んな鳴き声がします。
なんだなんだ、と拝所から、声のする本殿の左側を見上げると、瑞垣内にある高い木の上に真っ黒なカラスが二羽止まっていて、その内の一羽が身体を揺らして派手に鳴いていました。
「えっらい鳴いてるなぁ」と思いつつ、実はいつも境内の猫に夢中で、あまりじっくり色々回っていなかったので、時計回りでうろうろしてみました。
御本殿右側には、瑞垣内に橘諸兄公を御祭神とする若宮社と、子宝祈願のまたげ石がありました。
ほぉ…瑞垣内側にも色々あるんだな、と外からじーっと怪しく眺め、南側へ。
松と思しき植物。この葉っぱは松ですかね。
この形状の松を見たのは初めて。中央の幹がグルグルグルッとタオルを絞ったみたいにねじれていて、迫力あり。
グルグル松から本殿を観たところ。
右手にある石は、お百度石。神社HPによると、最近お百度参りをする方が多いそうで、お百度参り用のこよりも境内で販売されているようです。
南側の木影に、磐座。
社務所エリアに来ると…。
あー、いたいた!
神社の猫さん。すやすや寝てます。
「五千円」という札が映り込んでますが、この子が「一盛り五千円!」というやつではないです(笑)。何か別の物品やと思います。
そして社務所の後方から、もう一匹おでまし。
忙しいんでサイナラ。といった風情で一瞥し、通り過ぎて行きます。
と思いきや、梅宮大社で採れたらしき夏みかんの前にて。「そこの人間。この夏みかんを買うがいい」という声が聞こえてきそう。
ぐるっと回って御本殿の西側へ。瑞垣内側に護王社。御祭神は橘氏公公と橘逸勢公。
先程から、また「カァカァ」「ガァガァ」「ピヨピヨ」とカラスやアヒル、小鳥の鳴き声と、ガサガサと葉っぱが触れ合う音が、瑞垣内から混ざり合って聞こえてきます。大変賑やか。
「何かいるのか?」と思い、また柵越しに瑞垣内をじーっと見ると、木々の合間、注連縄が張り巡らされた一画があり、狛犬に守られる感じで、そこそこの大きさの石が三つ、祀られていました。
「ほー、石がある…」と見たまんまを心の中で思いつつ、神社を後にしました。
さて帰宅後、あらためて梅宮大社のことをネットで見ていると、最後に瑞垣内で見た石の事が分かりました。ちょっと鳥肌というか「わーお」と思えました。
石は影向石(ようごうせき)という熊野から飛来したカラス三羽が石化したもの、三石で熊野三山を祀ると伝わっているようです。
木の上でカラスがガァガァ鳴いていたあたりに、あの石があったんですね。
偶然ながら「ほんまに、熊野のカラスが石になったんかも」と思いたくなるような、むしろそっちの方が面白いな!そう思える参拝をさせて頂きました。