yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

金戒光明寺のアフロ仏

さてさて、大豊神社から移動し、数分後に、紫雲山くろ谷、金戒(こんかい)光明寺に到着。

周辺は落ち着いた市街地の雰囲気で、京都ならではの古く伝統的な空気感。

 

浄土宗のお寺で、法然上人が比叡山の修行を終え、この地で念仏をされた時に、紫色の雲が全山にたなびき、光明があたりを照らし出したことから、浄土宗最初の念仏道場として開かれた場所。とパンフレットにありました。

駐車場から石段を登ると、目の前にドドドドという音を立てて迫ってくるような、大きな山門が近づいてきます。

f:id:yukix03:20200613113328j:image

境内に入りますと、左手にお休み処がありました。ここでゆっくりお茶飲むのもいいなと思いつつ、目の前の御影堂へ。

f:id:yukix03:20200613113345j:image

昭和19年に再建。内陣正面には、法然上人75歳の御影が奉安されています。

ドォーン、ドォーン、と太鼓の音が聞こえてきました。どうやら御祈祷が始まるようです。

f:id:yukix03:20200613113404j:image
中に上がらせていただくと、お堂の広さに圧倒されました。正面には、御簾越しに御影がぼんやりと浮かび上がっていました。その左右に、重要文化財の吉備観音、運慶作と伝わる中山文殊が。

この中山文殊は、勇ましい獅子の上に光輪を背負った文殊菩薩が鎮座していて、「うわー、なんかステキ」と思いました。


もしもですね。

この中山文殊様が紫色の雲の中から「そこのニンゲン。お前だお前。頭を良くしてやろう」と獅子に乗り現れたらですね…。たぶん「え、はい、あの、あの、獅子?獅子なの?」と獅子が気になって仕方ないだろうなと想像してしまいました。「忍者ハットリ君」のシシマルが本気の本気を出したら、こういう感じなのかな。

 

とか思っている間に、お坊さんの御祈祷は続いています。新型コロナウイルスの影響で、遠い他府県からの参拝が難しい為、お電話等々で受付をされているのかもしれません。沢山の方の願いが流れるようなお念仏で読み上げられていました。途中、一瞬「あ、えと」とお坊さんが噛んだ瞬間があり、「そりゃ、この早さでは噛むよね」と心の中でウンウンとうなづきました。

 

堂内で御朱印をお受けし、このあと見に行く五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏金平糖を購入。

f:id:yukix03:20200613113443j:image

 

御影堂を出ますと、先ほどまで御祈祷をされていたお坊さんが、欄干のあたりで、外に向かってお念仏を唱和されていました。
その声が朗々と響く中、御影堂の近くにある阿弥陀堂へ。

f:id:yukix03:20200613113505j:image

慶長10年(1605)、豊臣秀頼により再建。この中では最も古い建物。ご本尊の阿弥陀如来は、恵心僧都最後の作。「ノミおさめ如来」とも称されているそうです。

 

熊谷直実、鎧掛けの松。

f:id:yukix03:20200613113534j:image

 

この石畳の道が、非常に清々しかったです。

f:id:yukix03:20200613113557j:image

さてさて。見えてきました。

f:id:yukix03:20200613113624j:image

 

おぉ!顔はめ看板までありました。

f:id:yukix03:20200613113639j:image

墓地となっており、大河ドラマにもなった「江」の供養塔などもありました。
墓地の石段を少し登った左側に、目当ての五劫思惟阿弥陀仏のお姿。

f:id:yukix03:20200613113705j:image

気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子を表したのが、五劫思惟阿弥陀仏。全国に16体ほどしか見られない珍しいお姿である、とのことです。

f:id:yukix03:20200613113731j:image

うーん、これはスゴイ!
その発想でこの仏像を彫るべ!と最初に決めた仏師さんは、なかなかの挑戦だったのではないかと。
「なんじゃこれ、奇抜なものを作りよってからに」と周りからバッシングされたりもしたのではないかと思います。もちろん、現代と昔の仏教とでは違う部分もあると思いますが、なかなかファンキーな…。


こちらは「アフロ仏」として有名で、さきほど買った金平糖のパッケージにもなっちゃってます。
穏やかな表情とモリモリの螺髪のギャップ、すっかりファンになっちゃいました。

 

ちなみに横から見たお姿。

f:id:yukix03:20200613113803j:image
なんとなく、コロナウイルス自粛期間中、髪の毛を切りに行けず、自宅で「頭がレゴブロックみたいになってきたぁ」と嘆いていた自分を思い出しました。

 

それにしても、さすが梅雨。雨は止んでいますが、京都独特の湿気がまとわりつくようで、境内を歩いているだけで全身が湿っているのが分かります。

f:id:yukix03:20200613113908j:image
車に戻りクーラーを強めにかけて涼んだ後、さて、最後にあそこに行くか!と、次の地に向かいました。