兵庫県の出石(いずし)に行ってきました。
出石城の城下町で、但馬(たじま)の小京都と呼ばれています。
京都府北部の福知山市を経由して、山中の鄙びた雰囲気の道を走り、午前10時半頃に到着。
辰鼓楼(しんころう)。
出石といえば、これ。明治時代初期の時計台。
街並みの第一印象は、「なんか飛騨高山ぽい」と感じました。古くからのしつらえが残された伝統的な家屋が立ち並び、重要伝統的建造物群保存地区となっています。
古い建物、特に和風とうっすら洋風が混ざったような建物がものすごく好きなので、ひたすら「いいねぇ。いいねぇ。最高やねぇ」と興奮する私を横目に、スタスタと歩いて行く主人ネコ男氏。
右側の白壁と飾り窓のお宅とか、いいですなぁ。
お寺の瓦に、鳥の造形。鳩?
この円窓と植木のコントラストときたら、もう。
路地もお花が咲いていて、実にいい感じ。
桂小五郎住居跡。朝敵となった桂小五郎が、ここに匿われたそうです。
夕方などは、また別の雰囲気になりそうですね。
格子窓のお宅が多いのですが、こちらの窓のしつらえも素敵だなと思いました。
なんだか横溝正史の物語に出てきそう。金田一さんが頭をワシワシしながら下駄で走り抜けてほしい。
顔出しパネル。
出石城跡。
さて、お昼ご飯は、もちろん、皿そば。
わんこそばのような感じで、一口ずつくらいのお蕎麦。だいたい、5皿で1人前くらい。
これは「登城」さんの皿そば。ネコ男氏10皿、私5皿で注文。徳利に入ったそばつゆ。ネギと山葵と大根おろし。生卵。とろろ。
最初の一皿はお店の方のお勧めで、藻塩で。
お蕎麦がシャッキリしてて、美味しかったです。
周りのテーブルのお客さんたちは、次々とお蕎麦を追加。
確かに、これはツルツルッといけますね。結局、ネコ男氏から2皿もらって、7皿頂きました。お腹ペッコペコだったら、10皿くらいペロッといけると思います。
大食いチャレンジもあるので、我こそはという猛者はどうぞ!
街並みを気の向くまま、ぶらぶら。
呉服(くれは)神社。八坂神社を一緒にお祀りしています。御祭神は、織物の神様である栲幡千千姫命、祇園の八坂神社から勧請された建速須佐之男命を配祀。
どんどん歩いていきます。
魚屋会館。山の中やけど漁業組合とか…?と最初は思いましたが、この辺の地名が魚屋というのでした。
明治館。ハイカラですね。こういう建物、ほんとに残していただけるとありがたい。明治時代の旧出石郡役所。
おっ、突き当たりにお宮があります。
この辺は道端に小さな水路が流れていて、綺麗でした。
出石天満宮。学問の神様、菅原道真公が御祭神。
街並みの中に、こういった地元密着!という感じのお社があるのがいいですね。
小川を渡ります。
ハグロトンボがヒラヒラと飛ぶ道を抜けると、出石城跡の麓にある諸杉神社に出てきました。
御祭神は多遅摩母呂須玖神(たじまもろすくのかみ)。
茅の輪をくぐらせてもらいました。
訪れる人は少なく、静かで落ちついた神社。
御本殿。裏手に赤い鳥居が見えますね。
有子山稲荷神社へと続く石段と千本鳥居。
出石城築城の時から鎮座するお城の鎮守。出石城本丸よりも更に上段にあります。お城の本丸より高い位置にあるという、非常に丁重にお祀りされていたんですね。
157段の石段を登ります。
下の街並みから上がってくる観光の人が多いです。
緑の美しいお稲荷様ですね。
出石城内にあった格式の高いお稲荷様ですが、お祭りの時には一般庶民も参拝が許可され、遠くから沢山の人々がやってきたそうです。
お殿様やお侍さん、お城に仕える人々、一般庶民が、ここにやって来たのかと思うと、歴史ロマンだなと思いました。
境内からは、出石城下が一望。
有子山稲荷神社から下がって行くと、本丸跡地があり、感応殿というお社がありました。
出石藩主仙石氏の祖、権兵衛秀久公がお祀りされています。大泥棒石川五右衛門を捕らえた豪傑という伝説が残されています。
下がって来ました。
出石を後にし、ネコ男氏のリクエストで、但馬大仏を見に行きました。
山の中を走っていると、上の方に、やたら存在感のある巨大な五重塔が見えてきます。なんだろう、あれは…。
この大門が、大きいというより、デカイ!
左右に仁王様。カラフルです。木造の古い像に見慣れているせいか、このカラフルさにおののきました。
受付で拝観料を支払い、中に入ります。
美しく掃除された広い参道。向こうに大仏殿が。
これがまたデカくてですね。間口55メートル、高さ40メートル。平成6年に落成したそうです。
見えてきました。但馬大仏です。
中央に釈迦如来、右に薬師如来、左に阿弥陀如来。
2万人あまりの中国の仏師さんが、3年かかって制作し、海を渡り本堂で組み立てられたそうです。
光背の隙間から、釈迦如来のお顔がチラリ。
高さ70メートルの五重塔。日本で二番目の高さ。
とにかく、このお寺は巨大建築ですね。上までは、階段で登ることができます。
一番上の楼閣から見た大仏殿。
私たちが車で走ってきた道路が、遙か下に見えました。
長楽寺を後にし、途中にあった道の駅のようなところで、たまごかけご飯セット。生卵は食べ放題。
ネギと海苔も卓上に用意されています。
私は2個使わせてもらいました。美味しい。家で食べる美味しさとは、また違う気がする美味しさ。
このあと、ナビの案内がイマイチ謎で夜久野の山の中をぐるぐる走ったり、私が高速道路の進行方向を間違えて少し戻ったり、なんだかんだで4時間くらいかかって長岡京市に戻りました。
初めて行った出石は、予想以上に街並みの建物に(個人的に)見応えがあり、人も多すぎず雰囲気もゆったりしていて、お蕎麦も美味しいし、良いところでした。