ザバザバと雨降る中、車は山の上へ上へ。
こんな天気のときに、山のお寺へ行くひとなんているのかな。と自分たちのことを完全に棚に上げて急峻な坂道を登っていくと、歩いて降りてくる人がいました。つまり歩いて登ってたということですね。頭が下がります。
標高443mの岩間山の上の方にある西国三十三所、第十二番札所。正法寺に到着。通称、岩間寺。
駐車場に車を止め、参道を降ります。石灯籠の立ち並ぶ参道は軽く坂道。
おっ!こちらにも、ぼけ封じ観音様。
三十三所巡りをしていると、ぼけ封じ観音様をよく見る気がします。
「ぼけ封じ三十三観音」というのがあるんですね。そのうちネコ男氏が「今度はこっちも」と言い出しそうな気がする。
私はもともと神社仏閣巡りをやってますが、どちらかというと神社寄り。でもネコ男氏は完全にお寺寄りですね。面白いです。
白姫龍神。
由緒書きを見ると、白山から勧請された龍神様ですね。崇めると美女になるとは…念入りにお願い申し上げたい。
山門はありませんが、鋳造の仁王様が両脇を守ってらっしゃいました。
「黒い!」「実に黒いですね!」と連呼しながら、いいアングルを探しつつ撮影させてもらいました。グラビアカメラマンの気持ちになりました。
参道を進むと、最初に目に飛び込んでくる立派な銀杏の木!
大樹の下にある稲妻龍王社。もうお名前がカッコいいですね。
さっさと本堂へ向かうネコ男氏をよそに、こちらの祠に釘付け。
本堂。
元正天皇の病気平癒に功を為した泰澄上人が、養老6年(722)に、岩間山の桂の大樹から千手陀羅尼を感得し、等身の千手観音を刻み、天皇の念持仏である観音像を胎内に納め祀ったのが、始まりとされているそうです。
本堂前。
ご本尊は三重の厨子の中にあり秘仏。御前立がお祀りされていました。とてもお優しい顔立ちで、雨のしっとりした風情と相まって、ほんわかした気持ちになれました。
毎夜、厨子を抜け出して、百三十六地獄を駆け巡り人々を救済し、日の出とともに岩間山へ戻ってこられるので、汗だくになっているといわれ、「汗かき観音」とも呼ばれているそうです。
ちなみに、本堂近くにある池は、松尾芭蕉が「古池や 蛙ととびこむ 水の音」の有名な一句を読んだとか。
夫婦桂。泰澄上人が観音様を刻んだ桂の木から再び芽生えたという謂れのある霊木。
護法龍王拝殿。
白姫龍神といい稲妻龍王社といい、ここは龍神様がたくさんお祀りされているんですね。
境内には、お寺の方と我々以外、ひとの気配はありません。
八大龍王堂。
霧が出ており、幻想的でした。
勧請縄のようなものがありますね。この先に護法善神遥拝殿がある様子。日本一の長寿の桂の木も、谷の中にあるそうです。
この山道を下って行くと、山の下の方にあった奥宮神社の方へ繋がっているのかな?
不動堂。
稲妻龍王社に戻ってきました。こちらの大樹は、火伏せの銀杏と呼ばれているそうです。
うーん、やっぱりいいですねぇ。
大師堂。
雨降る中、駐車場へ戻ります!
最後、振り返って撮影。雨を受けて、火伏せの大樹が瑞々しい。晴れの日はもちろんいいけど、雨の日もオツなもの。
優しい感じの観音様と、龍神のお寺でした。
ちなみに、御朱印の左上にある、観音様に向かって鬼が「ハハーッ!」と平伏している絵と、全く同じ絵馬もありました。
岩間山を降りて、市街地に戻って来ました。
宿にチェックインする前に、もう一ヶ所、どこかに行くことになりました。
というわけで、次は私のリクエストで、再訪したい神社へ。
続く!