土曜日の朝、吉野の道の駅で買った番茶あんこ食パンを少しトーストして、柿とともに。番茶の香りとあんこのほのかな甘さが美味しい。
そして例によってネコ男氏チョイスによる西国三十三所巡りに出発。今回はよもやの華厳寺です。そう、三十三所最後の満願のお寺。
我々は順番は無視して、行ける時に行ける所に行ってますが、「さすがに華厳寺は最後だろうな」と勝手に思ってました。
ネコ男氏曰く「おふくろが行って、めっちゃ良かったらしいで!ここに行きたい」とのことで、んじゃまぁいっか、という事で、朝7時半に車で出発。
名神高速を関ヶ原で降りるネコ男氏。そこからは地道で向かう様子。天下分け目の関ヶ原を抜け、岐阜県の揖斐駅あたりまで来ると、竹中半兵衛ゆかりの五明稲荷の前を通り過ぎたり、古い街道沿いの街があったり、のどかな秋の田園風景が広がったり、いい感じのドライブでした。
2時間弱で、岐阜県揖斐郡にある西国三十三所第三十三番、華厳寺に到着。
長い参道が始まる門を車で入ると、左手に無料の駐車場がありました。
年季の入った感じの谷汲踊りの顔出し看板があります。
参道脇にはお土産店や飲食店、骨董品、掛け軸や仏像などを売るお店などが軒を連ねていました。ただ、半分くらいは廃業されているのか、閉まったままのお店も多かったです。
途中の参道沿い、緑に包まれた小さな神社がありました。後で調べたところ、八王子神社というお社だそうです。いざ参拝。
二本の大きな木が、神域へのゲートのように立っていました。
なかなか雰囲気のある境内でした。
拝殿前から参道を臨む。こんな感じで、毎日、巡礼さんを見守ってらっしゃるのかもしれませんね。
メニューをチェックするネコ男氏。うなぎ食べたいなぁ。
仁王門が見えてきました。
満願のお寺ということで、道中見かける参拝者は、これまででは一番多いです。この参道の感じでは、昔はもっと多かった事でしょう。
巨大わらじ。左右にあります。
こちらの仁王様は格子の奥にいらっしゃり…格子の隙間からお顔を撮影。なんか怖いアングルになってしまいました。
仁王門の向こうは、ゆるやかな石畳の参道が続きます。奉納された石灯篭が沢山ありました。
入ってすぐ右手に、放生池と地蔵堂。
ほー、立派なお寺ですなぁ、と言いながら歩く。
紅葉の時期は、より一層、趣がありそうです。
豊川分霊ダキニ真天堂(実際のダキニは漢字)。豊川稲荷の分霊。京都にもちょいちょい見かけますが、ここまで立派なお堂に来たのは初めてかも。
苔むした雰囲気がかっこいい狛狐さん。
お隣の敷地に、水琴弁天様。水琴窟になってました。
そして謎の白い像。
こういうのがたまらなく好きな私は飛びつくように撮影。
石橋の苔むし具合がすごい。
山からの水でしょうか。水の流れる音が清冽。
こちらの大樹も、すごく苔むしてますね。
手水舎。観音様でしょうか。水瓶からお水が出てます。「ま、おひとつ」「いやー、おっとっと…」な感じもなきにしもあらず。
本堂へと至る石段。巡礼満願の方は、きっと万感の思いが有るのではないでしょうか。
阿弥陀堂。かなり古そうです。
よいせ、よいせと上がります。
本堂。
ご本尊は十一面観音。地下に戒壇巡りがあります。
華厳寺は、延暦17年(798)、会津の豪族大口大領により草創。都の仏師に造らせた観音像と共に、会津に帰ろうとしたところ、美濃の赤坂(今の大垣市)で仏像が動かなくなり、草庵を建立。延暦末に豊年上人が華厳寺として建立したとのことです。
境内のあちこちに、このお札が左右セットで貼られていました。
この「摩訶」という文字を見ると、どうしても子どもの時に見た「ドラゴンボール」のオープニング曲「摩訶不思議アドベンチャー」が脳内再生されるのですが、私だけでしょうか。
本堂の入り口、左右の柱に「精進落としの鯉」があります。よくよく見ると、鯉の口が阿吽になってますね。
柱の正面ではなく側面にあるので、あらかじめ知っていないと、パッと見て気づかないかも。
西国巡り満願者が、この鯉に触れるの習わしがあるらしいです。
堂内には絶え間なく参拝者が訪れます。奥に靴を脱いで上がる小上がり的な空間があり、社務所やご本尊が鎮座されています。
仏様は非公開なので、お姿を拝することは出来ませんが、堂内はおおらかな落ち着いた雰囲気に包まれていました。
この日は法要中で、ご本尊に対峙するくらい、かなり近い場所に座ってらっしゃいました。法事の時はめちゃくちゃ近くに座らせてもらえるんやな〜すごいなと思いつつ、本堂を出ます。
右手の回廊に、木彫りの大黒さん、恵比寿さん、布袋さんがいっぱいお祀りされている祠がありました。祠の中を少し失礼して覗くと、仏像は確か青い色で手がたくさんあり、ちょっとよくわかりませんでした。
本堂の真裏にあたる場所に、お地蔵様。身体の治して欲しい場所に1枚20円のお札を貼りつけて、お水をかけると良いそうです。
「やりますか?」「おぉ、お前、足が長くなるように足に貼れ」とネコ男氏に失礼極まりない事を言われつつ、財布をさぐると10円玉がない。というわけで今回は眺めるのみ。貼ってたら、夜の間に2センチくらい伸びたかもしれません。
本堂の回廊の奥に、笈摺(おいずる)堂と子安堂が見えます。
本堂へと向かう石段を上がる時に、この鮮やかな千羽鶴がチラッと見えるので、ちょっと「わぁー、何かある」とワクワクします。
回廊左側の祠の仏様。全身に経文が刻まれていました。秘仏ご本尊にも全身に経文などが刻まれているそうなので、ひょっとしてご本尊のお前立ちみたいなものかな?
華厳寺ならではの、笈摺(おいずる)堂。
西国巡り満願者が、笈摺や御朱印などを奉納。
千羽鶴は、折鶴が笈摺に因む事から奉納されているらしいです。
子安堂。安産や子宝祈願など。
満願堂への三十三段の石段。
ヨイショヨイショと小さく呻きつつ登り切ると、満願堂が現れます。ご本尊は平安時代作の十一面観音。
そして…狸。
いたるところに、狸。
大トトロ、中トトロ、小トトロのよう。
石段上から。朝方は、時折雨が降ったりしていましたが、綺麗な青空が見えてきました。
ここから1.5キロほど登山すると、奥の院があります。今回はパスして、別の道から下へと降ります。
仁王門まで戻って来ました。
さすが満願のお寺、参拝者も多く賑やかでした。
参道脇で気になったもの。ぜんざいパン。
あんこの揚げパンかな?