和歌山市内から車で約1時間、東へまっすぐ走ります。全然右折も左折もしないなぁと思いながら運転。粉河寺に近づいてきた頃、ようやく左折。
静かな街の中に川が流れていて、本能的に「おっ。ここ好き!」と思いました。
お寺前の駐車場に車を預けます。ネコ男氏が「こっち来てみろ」と言うので、駐車場の隅っこのほうに行くと…。
鷹!
鷹二羽!
なんで?なんで?が頭の中で飛び交う中、本能的に荒ぶる鷹のポーズをしてみました。(両手を上げて、片足を膝曲げて上げる)すると、真っ直ぐ前を向いていた鷹が瞬間的に「んっ!」という感じで真横にいるこちらを見るので、ちょっと面白くてですね。駐車場の片隅で荒ぶる鷹のポーズを連発する変なおばさんと化しました。
ちなみに鷹は紐で繋がれていたので飛び立つことはなく、私が捕捉される事はなかったです(笑)
そんなわけで、既に大当たりの気配濃厚な粉河寺参道へと歩を進めます。
と、左手に神社が現れました。大神宮です。
町のなかの小さな神社といった感じですが、個人的には大興奮。なぜならば…。
こちらの御神木。樹齢1000年余。うわ〜すごい!とネコ男氏と2人で境内へ。
幹のあたり、すごいですね!
触って良いとのことでしたので、ちょっとだけ触れさせてもらいました。
家の近所にここがあれば、毎日来たいかもです。
すごいぞここは…とボルテージ上昇させつつ、ようやく大門へ。
西国三十三所第三番札所、粉河寺(こかわでら)です。
紀の川中流の北岸に、宝亀元年(770年)大伴孔子古(おおとものくじこ)によって開創。鎌倉時代は隆盛を誇ったそうですが、豊臣秀吉公の兵乱によって多くの伽藍や寺宝は焼失。その後、紀州徳川家や信徒の寄進により、徳川時代中期に現在の諸堂が完成したそうです。
金剛力士は仏師春日の作。
どっしりとして迫力ありますね。
境内は川に沿って並び、奥へと繋がって行きます。珍しい配置だな。ワクワクします。
向こうに中門の屋根が見えます。
中門。四天王をお祀りしています。最初「えらいイケメンの仁王様やな」と思ってました。四天王と知り納得です。
組木が美しい。
中門から中に入ると、広い空間が広がり、本堂が左手に見えてきました。
丈六堂。
粉河寺庭園。
本堂の前庭とその下の広場との高低差を処理する土留めとして、また本堂を仰ぎ見る前景として築かれた石組み。桃山時代の作庭です。
本堂。
西国三十三所最大の江戸中期の欅材建築。他に類を見ない特異な形態だそうです。
広くて明るくて、なんだか和む空間でした。
三十三所巡りの方も多く、ほどよい賑やかさもあります。
別料金で本堂の中に入ることが出来ます。私たちが入った時は他に人がいなかったので、貸切状態でした。
こちらのご本尊は千手千眼観音菩薩で、絶対秘仏。かつて公開された記録はありません。御前立ちとする代わりの仏像も秘仏。
御前立ちまで秘仏とは…徹底してますね。
しかし、内陣背面に安置された裏観音と呼ばれる千手観音像は拝観可能との事だったのですが、私はすっかりその事を忘れていてですね…うう…見てません。
ご本尊の周りを囲むように、二十八部衆や十六羅漢の像があり、さらに徳川吉宗公寄進という左甚五郎作の「野荒しの虎」像を間近で眺める事が出来ました。
こちらの虎は、虎というか、猫っぽい感じの造形で可愛らしかったです。大きさもヤマネコくらいなので余計に。
横から見た本堂。
こちらにも素晴らしい御神木がありました。
本堂の奥、少し高台に神社がありました。
粉河産土神社。粉河地区の総氏神で、粉河寺の鎮守。
石段脇の狛犬さんの下の方、石段と一体化する形で、小さなチビ狛犬さんが。石段で遊んでるかのように見えて、かわいいです。
石灯籠の上に鳥。
そして最高にかわいい猫さん。
リードで繋がれて休憩所のあたりでゴロゴロ中でした。人慣れしていて、撫でさせてくれます。
古くから粉河寺地区を見守っている神社なんだなと、ほっこりしました。
参道を戻ります。なんだか懐かしいような気持ちになる参道でした。
大門を出た所に、端正で立派な蛭子神社がありました。
駐車場手前の和菓子屋さんにいた猫。からだ柔らかい。
まだ子どもなのかな。すごい勢いで懐に飛び込んできてくれました。
すべすべな手触り。和むわー。
皆に可愛がられているんだなと思いました。
このあと、私の熱いリクエストで「和歌山に来たからには、グリーンコーナーに行きたい行きたい行きたい行きたい」と連呼し、ネコ男氏は「しょうがねぇな…」な風情で、ナビ検索で出てきた岩出市にあるグリーンコーナーへ向かいました。
グリーンコーナーというのは、和歌山市のお茶の会社「玉林園」が経営するお店で、名古屋の「スガキヤ」みたいな感じ。ラーメンやソフトクリームなど食べる事ができます。
和歌山在住の友人がよく連れて来れたお店で、天かすの入ったあっさりした「てんかけラーメン」と、抹茶味の「グリーンソフト」のグリテンセットを毎回食べていました。
久しぶりに…といそいそ到着したものの、岩出店は既に閉店していました。やはり和歌山市内に戻るしかないか。しかしそれでは帰宅が遅くなってしまうので、泣く泣く諦めました。また和歌山市内に行くことがあらば、リベンジしたい!
義父へのお土産に(お土産といっても私も4つ食べましたが)「柿の葉寿司たなか」の五条楽(ごじょうらく)。
紫蘇には梅肉、海苔には奈良漬、錦糸卵には山菜、鮭、おぼろ昆布にあさり佃煮、穴子。
和歌山ではなく奈良のお店ですが(笑)。美味しいのでヨシ。
粉河寺は、西国三十三所巡りをしなかったら、きっとスルーしていたと思います。
しかし実際行ってみたら、鷹や猫や大きな楠との嬉しい出会いもあり、川沿いの爽やかな参道や、本堂の雰囲気もあり、個人的には非常にワクワクとした明るい気持ちの参拝となりました。
自分のチョイスだけでは知らなかった、素敵な場所に行けることも、三十三所巡りの醍醐味なんだなと思いました。