yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

チキンとプラム

朝から雨。

四条烏丸の地下街の天井近くを、ふと見上げたところに、これが貼ってあった。


海老と帆立のジェノベーゼを食す。


「Lisn」にてお香を買う。
「ストロベリー」「グリーンティー」「森林」「スコールと白い花」。
1本単位で買えるので、楽しい。


京都シネマにて「チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢」を鑑賞。

天才音楽家ナセル・アリは死ぬことにした。大切なバイオリンを壊されたから。忘れられない恋を知る全ての大人に贈る、可笑しくも切ないラブストーリー。

正直、あまり期待はしてなかったのですが、イヤ、これ、面白かった。もう一度見たくなった。
仙人のようなバイオリンの師匠や怪しげな商人男、イランあたりの街の空気感、場を盛り上げるエキゾチックな音楽、最愛の美しい恋人イラーヌとの別れ、その嘆きによって天才音楽家へと成長するナセル・アリ、愛のない結婚、母の死、不仲な妻との喧嘩で壊された奇蹟のバイオリン、死を決意した彼の胸に迫るのは、忘れられないイラーヌへの想い。

といった流れを、時系列を組み替え、走馬燈のように、飽きさせず、最後まで色鮮やかな映像で、笑いとファンタジーを交えて構成されていた。

うむ。確かに、最愛のイラーヌと結ばれず、互いに愛し合ったまま、別々の人生を歩むあたりは、「叶えられなかった恋」を知る者には、その切なさに、ジンワリと涙がにじむ部分である。
が、私がもっとも共感したのは、不仲な妻ファランギースだ。
彼女は、ナセル・アリを愛していて結婚したのだが、ナセル・アリはイヤイヤであった。それでも2人の子どもを授かるのだが、ナセル・アリは、稼げず、音楽教師の仕事も辞めてしまい、家事もせず、子どもの世話もあまりせず、バイオリンだけを弾いている。当然、ファランギースは、仕事、家事、子育ての全てを背負い、癇癪を起こして怒り狂うわけですが、ナセル・アリは「ボクは芸術家だぞ」と、逆ギレするわけですね。
ぎゃー。私だったら、やだ。こんな男。
と、思っちゃうわけですが、憎めないんだなー。
ファランギースが、ナセル・アリのバイオリンを壊してしまった事を悔い、彼の好物の「チキンのプラム煮」を作って、眼鏡を外し、髪をちょっと整えて、料理を持っていくあたりで、「料理を食べている間だけは、彼は、優しい言葉をかけてくれた」と回想する辺りは、なんていうか、もう見てて苦しいし切ないですね。「叶わない恋」の苦しさの真髄は、ここにあるような気がする。


映画の中で、「失くしたものは、すべて、君が弾く音の中にある」という台詞があった。
なくしたけれど、何もなくしてはいない。かなわない恋こそ、美しい。
心に響いた。


ちなみに、「チキンとプラム」の上映来場記念に、パルメザンチーズを頂きました。(^◇^)


地下の「イノダコーヒ」の支店にて、アラビアの真珠を飲んだ。外は雨が降っていたので、暖かな珈琲が、とても美味しかった。