yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

晴れ、そして雨

金曜日の早朝に、友人のお母様がお亡くなりになった。
「仕事が終わったら、家においで」と、連絡を受け、お宅へ弔問に伺った。

お母様とは、一度だけ、お会いしたことがある。
一か月前に入院される少し前、まだ病気の兆候はなく、お元気だった。車で迎えに行った際に、洗濯物をとりこまれていた。あわてて車から降り、あたふたしながらご挨拶したので、ゆっくりお話など、何も出来なかった。
それが、最初で最後となった。


弔問にお伺いし、初めてお会いするお父様、ご兄妹とご挨拶し、お線香をあげさせていただいた。
落ち込んでいる友人に、どんな言葉をかけていいのかわからず、「毎日、病院に行ってあげてたんですよね。いろいろ大変だと思うけど、どうか、無理はしないでください。私が出来ることは、サポートします」とだけ。己の非力さを呪いながら、玄関先でご家族のお見送りを受け、帰宅した。


土曜日のお通夜には、沢山の弔問客が参列し、行列が建物の中には入りきれず、外の方にまで及んだ。私も、記帳に時間がかかり、最後の方になってしまったので、約30分ほど、立って待っていた。その間、周囲の弔問客からの、お母様の思い出話が聞こえてきて、皆に愛された方だったということが、よくわかった。

お焼香させていただき、最後、親族席に呼ばれ、通夜ぶるまいをご一緒した。
妹さんから、お母様がお亡くなりになったとき、お父様と友人が「こんなことになるのなら、もっと、いろいろしてあげればよかった」と大号泣していた、と聞いた。いつもポーカーフェイスで、そのような姿を見せたがらない人なので、何かが、ずしんと心に響いた。

頭が冴えて、明け方まで眠れなかった。
金曜日の弔問から、土曜日のお通夜の間、色々な事が起きたので、様々なことを考えた。


日曜日。朝、晴天。
葬儀、告別式には、頼まれていた用事もあったので、早めに行くことにした。
最前列の席で、葬儀、告別式を見守った。
出棺の前、棺に最後のお花を納める頃、泣く友人、ご家族、親族の皆様の姿を、一般席から見守り、"全部見て刻みつけておくから、安心して泣きよし!"と、自分ももらい泣きしながら、思った。

出棺を見送り、帰途につき、喪服から着替え、原付で、近くの街に買い物に出た。
夕刻、山沿いの道を走る。ひんやりした、マイナスイオンを含んだ空気。竹林の側を走るとき、ミストのような空気が、ふわーっと緑色の田んぼに向かって、広がって行った。

帰宅すると、激しく雨が降り出した。
冥福をお祈りするとともに、「自分が死ぬとき、お母様のように、皆から惜しみ悲しんでもらえるだろうか?」ということを、考えた。そのような人間になりたい。