大和川から西へ移動。寺川畔の閑静な住宅街にやってきました。
田原本町、鏡作坐天照御魂(かがみつくりにますあまてるみたま) 神社。

別名、鏡作神社。創建は崇神天皇6年(紀元前92年)。
鳥居を入ったところにある駐車場から出ると周囲の静けさもあり、なんとも穏やかな雰囲気。

参道の周囲は社叢に包まれており、実に気持ちがいい。


律令制以前、朝廷や豪族に属して刀剣や鏡類を製作鋳造していた「鏡作部」という技術集団がいました。
ここは、彼らがこの地域に居を構え、御鏡(天照国照彦火明命)、そして遠祖である八咫鏡をつくったと伝わる石凝姥命を氏神様として開いた神社とされています。


参道左手に鏡池。現在は修復中。
鏡の鋳造に際して、この池で鏡を洗い清めたと伝わります。

第10代崇神天皇の時代、畏れ多いとのことで、 三種の神器のうち御鏡(八咫鏡) を伊勢でお祀りすることとなりました。
その際に、皇居の内侍所に新たにお祀りする御鏡を鋳造したのが、鏡作神社を中⼼としたこの地の鏡作部たちでした。
その際に試鋳された神鏡を御神体として、現在の鎮座地である鏡作郷にてお祀りしたのが始まりとされていま す。
それがパネル写真の神宝、三神二獣鏡。非公開。
あの八咫鏡の試作品…!思わず背筋が伸びます。

鏡石。鏡池から出土。鏡の製作時に、鏡面を研磨する際に使用されたもの。


注連縄で区切られたところにポコンと穴。

木が植わってたのかなぁ。

境内社もたくさん。

右手は笛吹神社。珍しい。
葛城市の葛木坐火雷神社(通称、笛吹神社) からの勧請かと思います。
5年ほど前に参拝したきりですが、またお参りに行きたいな。
狭依姫神社。市杵島神社と同義かと。

拝殿が見えてきました。
主祭神は天照国照彦火明命、石凝姥命、天糠戸命。

拝殿前の空間が玉垣で区切られているせいか、なんていうか不思議な空間ぽく見えます。昔、何か建物でもあったのかな。

狛犬さんたち。親しみを感じる造形。

拝殿内には、 再現鋳造された内行花文八葉鏡が奉納され奉安されています。


神社によって御鏡が見えるところとそうでないところがありますが 、目にすると何となく「アッ」と畏まってしまう。 不思議なもんですな。
拝殿左手の大樹と愛宕神社。

いい枝ぶりですね。

拝殿の背後にある本殿。朱塗りで三間社春日造

近辺には鏡作伊多神社、鏡作麻気神社といった「鏡作」 と関係が深そうな神社があり、合わせて行ってみても面白そうです。

拝殿右手へ。
石がお祀りされていますね。金刀比羅神社の文字が見えます。

鏡作坐若宮神社。

このような不思議で素敵なお話があるそうです。

とても立派なお社。

お社の彫刻をよく見ると、白い鳩と白蛇さんが。

造形が親しみやすいというか、ニョロニョロ具合が可愛いらしい。
御朱印にも白蛇さんが!(^^)

ここから本殿がよく見えました。

古色蒼然とした優しい雰囲気が漂っていました。

境内社もたくさん。

拝殿前の狛犬さんをよく見ていると、阿吽、それぞれのお顔に小さな蝸牛を発見。
阿型の方は顎のラインのくぼみに。

吽型の方は額のあたりに。

狛犬さんをこんなにアップで撮影させてもらったのは初めてかも。
このように参道を見守ってらっしゃいました。

遥拝所。

おぉ…なんか木がすごいことになってる。

ちょうど四角になってますね。
なんだか神秘的。

鏡作神社から国道24号線を北へ少し行くと、道の駅「道の駅 レスティ唐古・鍵」があります。

ちなみにその手前には弥生時代の史跡公園である唐古・ 鍵遺跡史跡公園が広がっています。約2, 000年前の弥生時代において、大きな勢力を持つ集落があったと考えられています。
唐草みたいな独特な造形の飾りがついた多層式の楼閣が復元されているので、道路を走るたびに「おっ」と毎回思うのですが入ったことはない。またいつか。

道の駅で車のEV充電をしようと試みるものの、使用できない状態とのことで諦める。まだ走行可能距離に少し余裕があるので、次の目的地前付近で充電することにして物産コーナーでお買い物。
野菜類を買ったのですが、その中で珍しかったのが、大和( やまと)まな。奈良の伝統野菜。

夜に鍋に入れて少し食べてみました。
食感は小松菜系。でも小松菜より柔らかく甘味があり、クセがなく非常に食べやすい。お漬物にしたり油炒めにも合うそうです。
美味しかったのでまた見かけたらまた購入したいです。
さて、最後の目的地へ。
