朝、台所の机の上に、「今夜、かに道楽に行く」と、母筆によるメモが置かれていた。
先週、「かに!!かには!!??」と、キュウリを噛み砕き心の中で絶叫した瞬間が、報われたのだ。
というわけで、
♪とーれとれ ぴーっちぴっち かーにー料ー理ー♪
「かに道楽」へ。
綺麗なエントランス。水槽に入ったかにがお出迎え。
竹でつくられた「ホジホジ」。
かにの箸置きも、よく見るとかわいい。裏に金具をつけ、帯留めにしたら…目立つだろうな。
かに酢、かにお刺身、かに茶碗蒸し。
かにグラタン、茹で野菜のかにドレッシング、かにの天麩羅。
「かに愛し小唄」 作詞:yukix
波間を越えて やってきた
遠いとこから やってきた
固い甲羅に 鋭いはさみ
茹でれば紅さす にくいやつ
毛蟹 ズワイに タラバガニ
一枚剥けりゃ 真白いこの身
剥いてくだしゃんすか ぬしの手で
嗚呼 嗚呼 かに味噌も忘れないで
美味しさのあまり、作詞までしてしまいました。
ご馳走様でした!満足です。
帰途、ビールを飲んだ父にかわって、私が車を運転する。
途中から、おなかが痛くなってきた。
私は、かにを食べると、お腹をこわすことが多い。今日は大丈夫デショと思っていたら、甘かった。
少々ビロウなお話になって、大変恐縮ですが、あきらかに、「ぼくたち、お外に出たいよ!」と、私のお腹の得体の知れぬ何かが、激しく叫んでいるのでした。
家までは、15分ほどかかる。
耐えろ、私、頑張れ、私。
助手席の母は「もう一年の半分やでー」と話していたが、私は余裕皆無で、ハンドルを強く握りしめ「う…うう」と返答するのが、やっとであった。ビールを飲んだ父は、後部座席で寝ていた。
ラジオからは、春日八郎の昔の唄のあと、もの悲しいヴァイオリンの音色に、木琴が重なり、なんとも切ないクラシック音楽が流れていた。
おなかがもの悲しい!!
赤信号が、憎い!!
そんなわけで、今夜はせっかくの部分月食だったのですが、そういう余裕はなく…。
やー、
美味しいですね。かにって。