yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

梅雨の晴れ間の伊勢旅行記

日曜日の朝、前日まで、ざんざかと降っていた雨が上がった。
土砂降りのお伊勢さん一人旅を覚悟していたので、なんとも快哉。ありがたい。
京都発、伊勢行き。片道2500円。約2時間半の道のり。

乗客は、運転手さんを含め、3名。大型バスに、3名。ほとんど貸し切りといってもよい。
「ガラガラなんで、好きなところを広く使っていただいていいですよ」
と、運転手さん。
お言葉に甘えて、適当に座らせていただく。

この高速バス、なかなか便利がいい。
電車で行くと、伊勢市駅からバスに乗り換えて伊勢神宮、という面倒くささがあるのだが、この高速バスは、伊勢市駅、外宮、内宮、と停車しながら行くので、好きなところで降りれば良い。
なので、今後もなくなってほしくないのだが、この乗者数、ちょっと心配。

京都よ、しばしさらば。


伊勢市に到着。外宮前にて、下車。
伊勢には何度も来ているが、外宮に来たのは、初めて。
境内は、緑がいっぱい。


外宮の御正宮へ参拝。


風宮と土宮を回る。


匂玉池のほとりには、満開の花菖蒲。


外宮を出て、参道をぶらぶら。古い趣のある旅館が見える。このへんに「cocotte山下」があるのだが、私が着いたとき、まだ準備中だったが、開店待ちのご婦人方が、外で待っていた。


憧れのフレンチ「Bon Vivant」。大正時代の建物。とっても素敵。

こちらが入り口。中に入ってランチしちゃう?と思うものの、なんとなくびびって入れず。


なので、比較的カジュアルな「Cafe de Bon Vivant」へ。
暑かったので、カフェ・フロッタン。アイスコーヒーの上に、特製バニラアイス。


ミゼットが流れる店内は、伊勢なのにフランスにいるような気分になる。



内宮へ。
日曜日午後のおかげ横丁とおはらい町は、とても混み合っていた。


お昼御飯は、五十鈴川のほとり、「とうふや」へ。


季節の枝豆寄せ豆腐膳。
絞りたての豆乳、がんもの煮物、塩orつゆで味わう枝豆寄せ豆腐、ごはん、赤だし、茶碗蒸しなど。
ヘルシーで美味。塩で食べる枝豆豆腐、なかなかやりますよ。



曇りがちではあったが、時折、地上をあまねく照らす太陽の光を浴びながら、内宮への道を歩く。


古い趣のある建物が建ち並び、とても雰囲気が良く、軒を連ねるお店にも活気があって、楽しい。
通りには、燕が飛びかっている。沢山のおうちや商店が、進んで燕の巣を守っている。とてもいい風景だった。


それにしても、暑い。
どれ、では赤福氷を…と思い、赤福本店前を通りかかると、ものすごい混み具合であった。仕方なくスルーし、先へ進む。


内宮、宇治橋


宇治橋から五十鈴川を臨む。


砂利道を進み、手水を使ったあと、五十鈴川御手洗場へ。


参道を進むと、神宮の森はいよよ濃くなり、巨木が目立ち始める。


休日の昼間は、やはり参拝者が多い。内宮、外宮ともに、正装姿の個人や団体が多かった。男女ともに、黒いスーツをびしっと着こんでいる。さぞや暑かろう。おそらくご祈祷を受けるのですね。さすがお伊勢さん。

御正宮の石段下。ここから上は、撮影禁止である。

参拝を終え、風日祈宮へ向かうべく、風日祈宮橋を渡る。五十鈴川の流れが清々しい。

木立から漏れる光が、優しい。


風日祈宮。風の神様。


暑さと疲れで、荒祭宮まで歩く気力が失せ、そのまま休憩所である参集殿にて休み、ひとまず、内宮を後にした。

おかげ横丁にて、抹茶アイスクリーム。


本日の宿、神宮会館にチェックイン。
内宮やおかげ横丁に近く、便利な宿として、人気がある。たまたま、じゃらんで検索したら空き室があったので、即座に予約した。
私のプランは、一泊朝食付きで、5250円。広い和室。お手洗いとお風呂は別。全体的に豪華さはないが、清潔感があって、充分である。


疲れたので、夕方まで、爆睡。


内宮界隈のお店は、夕方になると、ほとんどが閉店してしまう。
なので、一泊朝食付きプラン場合、晩ご飯探しがネックである。今から思えば、夕食付きプランにすれば良かった。
内宮界隈から離れたら、無論、開いているお店は沢山あると思うのだが、バスやタクシーに乗って移動するのも面倒で、まぁ、なんとかなるだろうと思い、日が傾き始めたおかげ横丁へ。


うーむ。本当に、ほとんど終い支度。
とりあえず、目についた海鮮料理の「海老丸」へ。
ラストオーダーぎりぎり。閉店40分前に飛び込んだ。


というわけで、「手こね寿司定食」。かつおの漬けが乗った手こね寿司、海老や蟹、つくねなどが入った漁師汁、海老フライと白身フライが付いてくる。


エビスの生ビールも。


残り時間を深く考えず注文した結果、これらを、約25分で食べなくてはならない。
一つ一つが、けっこうな量である。
フライで、冷たい生ビールで飲み、「あ。なんか、すでに、お腹ふくれてきたかも」という予感を抱く。
店内の柱時計とにらめっこしながら、漁師汁のかにの身をほじり、手こね寿司をわっせわっせとお口に運ぶ。
わたし、なんで、こんな急いでごはん食べてんだろ。
うう…美味しいのに…もっとゆっくり食べたいよう。
そう思っているうちに、閉店5分前になり、手こね寿司は上のかつおの漬けを食べ切って、ごはんは少し残してしまった。漁師汁は更に強敵で、丼くらいの大きさのお椀に入った赤だしが、嘘みたいに減らない。
エビスビールでお腹はちゃぽちゃぽになっており、もう、赤だしを飲んでるんだか、何を飲んでるんだか、わけがわからなくなり、こちらも3分の1ほど残してギブアップ。
お味はとても美味しかったので、時間があるときに、またリベンジしたい。
そして、下記の絵のような状態となりはてた。


これで、まだ18時である。日も暮れきっていない。
腹ごなしに、夕暮れの内宮へ向かう。おはらい町も、昼間の人出が、嘘のようである。
本当は、翌朝5時の開門時間に合わせて、早朝参拝をする予定だったのだが、たぶん、起床出来ないんじゃないかな、という気がしていたので、ちょうどよい。



さすがに、この時間になると、人もまばら。


五十鈴川御手洗場も、ひと気がなく、川のせせらぎが、静かに響いている。



夕暮れの神楽殿


御稲御倉。唯一神明造り。


昼間に行けなかった荒祭宮へ。

人の気配は全くない。
高く茂った木々の梢が、風にざぁぁと揺れて、別世界のような雰囲気。
夕暮れの内宮は、やはり、昼間よりも神秘的でした。


ほとんどのお店が閉まっているおはらい町。


宿に戻って、「さんまのスーパーからくりテレビ」を眺め、大浴場までお風呂をもらいに行き、就寝。


そして二日目、月曜日の朝。
待ってました!朝ご飯。
旅行先の宿の朝ご飯、大好き。
あおさの入ったお味噌汁が、特に美味しかった。


宿をチェックアウトし、おかげ横丁へ。
月曜日の午前、ということで、さすがに空いていた。快適なり。


私がまっすぐ向かったのは、昨日、混雑して入れなかった赤福本店である。


まだ、朝10時だけど、さっき朝ご飯食べたけど、もう行く!赤福氷!


これこれ。
ふわふわの宇治氷を食べて行きますと、中から、あんこが出てくる。
こないだの日記で「中には赤福餅が三個内臓されている」と書きましたが、私の思い違いでした。すいません。正確には、あんこと、白玉のようなお餅が、二個内臓されていました。


最後のお楽しみの一口。


食べながら、おはらい町の町並みや行き交う人々を眺め、晴れた空と軒先を飛び交う燕を見守る。

嗚呼、しあわせ。
伊勢に来て良かった!
と、実感しました。なかなか難しいけれど、可能ならば、平日に来るのがモアベター。土日は人が多くて、活気があるが、落ち着かない。


猿田彦神社へ。
おはらい町より、少し歩いたところに、鎮座されている。

みちひらきの神様。
境内は八角形の造形が多い。中心には、干支が刻まれた八角形の石があった。
本殿の堅魚木(かつおぎ)、欄干、境内の佐瑠女神社の本殿、大鳥居、手水舎の柱も、みな八角
八角は方位を意味し、方位除けの御神徳を仰ぐものらしいです。
ここは、ゆったりと落ち着いた感じの、良いお社であった。


今日は、ゆっくり、この界隈をうろうろ。


お昼御飯は、「ふくすけ」の伊勢うどん。太めのうどんに、濃いだし。独特の味。美味しかった。


「豚捨」の松坂牛コロッケも。


五十鈴川のほとりへ。


美しい清流を眺めていると、ふいに、白装束で内宮の神職と思しき方々と、黒いスーツの青年が、背後からドヤドヤと現れた。

なんだ!?
と思って眺めていると、彼らは、水辺に、なにやら神社でよく見る何かを作り上げた。こういう作業を見るのは、初めてである。得した気分。

彼らがそれを作り終えた瞬間、雨が降り出した。作業を終え、ドヤドヤと車に乗り込み帰って行く彼らを見送り、慌てて傘を差したが、すぐに上がってしまった。ちょっと不思議だった。

赤福本店にて、お土産用の赤福餅8個入りを購入。


おかげ横丁の中にある「おかげ座」に入り、お伊勢参りの歴史を見学。
まず、シアターで、15分ほど、伊勢神宮や、お伊勢参りの映像を見る。
そのあとは、係員さんが、館内を案内してくれる。勉強になりました。

伊勢参りの風景。

犬も。


これは両替屋さん。チューインガムを膨らませているのではなく、鼻ちょうちんである。


これは、伊勢の古市の遊郭を再現したコーナー。伊勢音頭が流れてます。



こちらの粋な女性は、当時の女性の等身大模型。140センチくらい。現代との栄養の差がよくわかる。当時は150センチあったら、大男、大女と呼ばれていたそうです。


五十鈴川カフェ」にて、アイスコーヒー。


「虎虎(ことら)ういろう」の虎虎(ことら)やき。伊勢茶入り。購入。


この辺になると、疲れてきて、頭、うすぼんやり。
さー、あとはもう、京都行きの高速バス停で、バスを待つか。

そう思い、おはらい町を突っ切り、バス乗り場へ向かう。
その途中、ふと入った路地にあった「手荷物預かります」という看板が、目に入った。

……。
あ!宿に大きな荷物、預けたまま!!

看板を見なかったら、ぼんやりして、そのまま帰ってしまうところであった。助かった。
慌てて元来た道を戻り、宿に預けていた大きな荷物を引き取り、再びバス停へと向かった。


とら猫の子猫と遭遇。


さらば伊勢。
また来ます!