yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

一保堂茶舗 喫茶室 嘉木(かぼく)

京都市役所のある御池の寺町通りを上がって行くと、(※京都では、北に行くことを「上がる」といい、南に行くことを「下がる」という)エスニック雑貨屋さんの前に、バイク仕様のかき氷屋さんがいた。


二条通りを越え、京都屈指の素敵本屋「三月書房」や、レトロな佇まいが垂涎の西洋菓子の村上開新堂や、立ち並ぶ美術骨董店を、どんどん上がって行くと、

日本茶の老舗「一保堂茶舗」が見えてまいります。

茶壺がどーーんと並んでいる由緒溢れる店舗の方が耐震工事中につき、今は、お茶は、近くの仮店舗で販売中だそうな。お店の前にスタッフさんが立っていて、丁寧に案内されていた。
「お店のお写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、快諾いただき「工事中じゃなかったら、もっと良かったんですが」と、申し訳なさそうに微笑んでおられた。

一保堂のお茶が頂ける「喫茶室 嘉木」は通常通り営業中の様子だったので、入店。喫茶室に入るのは、初めて。いつも満員御礼の様子だったので、スルーしていた。
ラッキーなことに、私が入ったときは、お席はけっこう空いていて、お好きな所にどうぞ、というご案内だったので、カウンターの茶釜の真ん前を陣取った次第である(^^)

濃茶、薄茶、玉露、煎茶、ほうじ茶、玄米茶など、様々なお茶を嗜む事が出来る。全てに、和菓子がついてくる。お値段は、茶葉の種類によって異なる。お抹茶は、自分で点てることも出来るし、お店の方に点ててもらうこともできる。

外が暑かったので、冷たいお茶を頂くことにした。冷たいお茶は、通常価格+60円くらいで飲む事が出来る。
迷っていると、お店の方が、水出しに向いている茶葉や、オンザロックが美味しい茶葉などを、丁寧に説明してくれた。

今日は、店名にもなっている、煎茶「嘉木」を水出しで。
お茶は、自分で入れる。お店の方の丁寧な説明があり、初めてでも心配はナッシング。
1. ピッチャーの冷水を、ガラスコップに、9分目くらいまで入れる。
2. コップに入れた冷水を、煎茶(茶葉はびっくりするほどたっぷり♪)の入ったきうすに、一気に注ぐ。
3. 5分待つ。
4. 一煎目のできあがり。
5. 二煎目は、待ち時間3分。三煎目は、待ち時間2分。四煎目からは、待たずに、すぐ注いで良し。


待つ間に、上生菓子をいただきましょうかのう。
ちなみに、それぞれの茶葉に合うものを、季節によって、京都の様々な名店の和菓子から選び抜いている様子。すごい…!今日のお菓子は何処のお菓子か。わくわくしますね。
今日の煎茶「嘉木」についてきた和菓子は、こちら。

「京華堂」の上生菓子「みなものあや」。たぶん「水面の彩」(漢字聞いておけばよかった)。
夏の清らかな小川の流れに、光が反射してキラキラ…。
思わず、口が半開きに。
爽やかな色合いの練りきりの表面に、さいの目の透明の寒天が、ちりばめられている。
もう、お菓子を見た瞬間に、「おみそれいたしました」と思った。
「京華堂」は、茶の湯と縁の深い和菓子店で、このような上生菓子は、ふだんは販売していない。滅多にいただく事は出来ないのである。このお菓子は、「京華堂」が「喫茶室 嘉木」のためだけに、季節ごとに作っているらしい。
甘さは控え目で、すっきりとした煎茶の風味と調和して、美味しゅうございました。

和菓子の美しさに恍惚としている間に、いつのまにか、店内はほぼ満員。おお、タイミング良かった。


お茶の感想ですが、これが、一煎目、二煎目、と、それぞれ変わっていくのが、すごい。私のような、普段、無頓着な者でも、ちがう、いつも飲んでるお茶と、ぜんっぜん違う!と、目を「カッ」と見開いてしまう。
一煎目は、一口目を口に含んだ瞬間「これは…昆布だし!?」と思えるような、不思議なコクと、とろりとした甘さ。感動。
二煎目。先ほどのとろり感を残しつつ、煎茶のすっきり感が出てきた。
三煎目。深みのあるすっきり感。
四煎目。かなりあっさりした風味になってきた。さわやか。
最後の一滴まで、注ぐこと。

一回のピッチャーのお水で、五煎くらいはいける。
冷水ピッチャーのおかわりOKとのこと。茶葉もたっぷり入っているので、冷水をおかわりして、六煎目、七煎目、と試してみるのもいいかも。

お値段ですが、水出し煎茶「嘉木」、上生菓子付きで、680円。
正直なところ…
今まで、「一保堂茶舗の喫茶室って、きっと観光客向けの高いだけのトコロなんじゃあないのー?」と斜に構えていたが…
すいませんでした。
おそれいりました。
このお値段が相場として一般的に高いのか安いのか、解らないが、私は「安い!」と思った。
なんていうか、日本茶の真髄を見せつけられた。
お茶って、こんなに美味しかったんだ。


真夏の昼下がり。至福のひとときを、ありがとう。一保堂さん。


そして、寺町二条のパン屋さんで、オレンジとレモンのクロワッサンを買って、うにうにと帰るのであった。


明日は、徳島の阿波踊りへ。
踊る阿呆&見る阿呆と化して参ります。