yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

熊野紀行その1・花窟神社

24日の早朝から、熊野へ行ってきました。

早朝4時半前に、長岡京市を車で出立。
レンタカーのナビの導くままに、高速道路に入った数分後、雨が降り出し、滋賀県を通過中は、ワイパーフル稼働の激しい豪雨。

伊勢道に入るか入らないかのタイミングで、ナビが突然「次の交差点を左折です」と話し出し、「え!高速道路やけど?」と思わずナビ子(命名)に話しかけました。
古いナビあるあるですが…ナビと実際の高速道路が対応していないんですね。

ナビ子は、指示を無視して直進する私に対し、20秒に1回のペースで「ルートを変更いたしました」と繰り返すのでした。
次第に私の中に不安が芽生え「…分岐来たらどうしよ。ナビ子の指示がないと分からへん」と気持ちが焦りました。
どうしよう。まかり間違ったら、名古屋に行ってしまうぞ!

焦り始めた私をよそに、ナビ子は突然正確な高速道路ルートに対応し出し、あれよあれよと言ううちに、伊勢道から三重県の尾鷲(おわせ)方面に入りました。

この頃になると夜が明け、車窓には山の風景。朝の雨で発生した雲海のような白い雲が、山から田園地帯にたなびき、それはそれは美しい景色でした。

高速道路から一般道へ。
尾鷲市内から熊野市に入る頃には、左手に太平洋が広がっていました。
夜も明けぬ豪雨の中を走ってきて、ナビ子との不安に満ちたやりとりを経て、山を越え谷を越え、最初に海が見えた時は、さすがに「ヒョ〜」と声が出ました。
海は台風の影響を受けて波が高く、白い波濤がザッパーン!と砕け、何もない砂浜に幾重にも重なって打ち寄せていました。

海岸沿いを走っていると「花窟(はなのいわや)神社」の看板が見えてきました。
まず最初に、和歌山県新宮市の熊野速玉大社に行く予定で、花窟神社は時間があれば…と思っていました。
あぁ、でももう、見えたからには行く!

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車を駐車場に停め、外に出ると、道路の向こうにある海からの激しい風が吹き付けてきました。しかし雨は降っていないので、傘なしで、いざ。

花窟神社

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古事記の国産み神話の女神イザナミノミコトが、火の神カグツチノミコトを産んで亡くなった後に、葬られた御陵とされています。以来、近隣の人々が、季節の花をお供えしてお祀りしたそうで、「花をお供えしてお祀りした岩屋」という意味で、花窟神社となったらしいです。
日本最古の神社ともいわれているようです。

参道は緑に包まれていて、左手にお稲荷さんがお祀りされていました。

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まだ9時前なので、社務所は開いていません。

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奥に進むと、前方に巨大な岩が。高さ45m。
最初に目に入ったとき、その大きさに迫力があり、「ウワ、すごい」と思いました。

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本殿はなく、こちらの岩が御神体です。玉垣の前まで進むことが出来ますが、白い石の上は土足厳禁。原始的な巨石の信仰形態で、不思議な雰囲気でした。

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参拝後、ボケーッと岩を見上げて振り返ると、白い装束姿の山伏さんが立っていました。
「!!」
一瞬、幻でも見たのかと思ってビックリしました。生身の山伏さんでした。
ちょうど前日に、修験道の狸谷不動尊赤山禅院にも行き、更に、大峯山と熊野の修験道の本を借りて読んだところだったので、自分の脳がついにヤバくなったのかと思いました(笑)

山伏さんは普通のおっちゃん、という感じの方で、写真の撮影を頼まれました。熊野を巡礼されているご様子。
窟を背にポーズをきめる山伏さんをパチリ。
撮影後、カメラをお渡しすると、山伏さんは私に「ありがとうございます。道中お気をつけて!」と、手にしていた錫杖を、私の方に祓うような感じで動かし、シャリーンと鳴らしてくれました。

おぉ、まさか昨日の今日で、のっけに山伏さんにお会いするとは、なんだか幸先いいな。
と、勝手にヨロコビ、海からの強風に髪の毛をザンバラに乱されながら、車に戻りました。

そして、太平洋を見ながら走ること40分くらいで、和歌山県新宮市にある、熊野速玉大社に到着。

その2に続く!