お仕事がお休みだったので、朝からお出かけしました。いざ、奈良へ。
朝6時過ぎ、長岡京市を出立。
主人ネコ男氏のいびきが遠い地鳴りのように聴こえてくる中、夜明け前の冷え込む外へ。車のフロントガラスにはうっすら氷が張っていました。
バイパスと高速道路を使い、約50分で奈良市内に到着。
途中、木津あたりで東の空が明るくなり、茜色や薄桃色、美しい色を全てここに流し込んだかと思えるような雲がたなびき、「お〜」と車内でひとり感嘆していました。
昨今の奈良市内の奈良公園界隈の渋滞、混雑ぶりは、テレビでも充分観ていたので、早い時間にサッと来ようと思いました。
午前7時、さすがにガラガラの駐車場。
向こうに東大寺大仏殿の屋根が見えました。
ちょうど、駐車場のお隣に神社があったので、これ幸いとお参りさせてもらいました。
奈良氷室神社。
和銅3年(710年)に、若草山の近くを流れる吉城川上流域にある月日磐(つきひいわ)と呼ばれる石に、氷室が設置され、氷神をお祀りした事に由来しています。
現在は春日大社の別宮に属し、氷の神様として、地元の氏子さんや、冷凍氷業界の崇敬を集めています。
20年くらい前にお参りした覚えがありますが、境内の様子は全く記憶にありません。新鮮な気持ちで鳥居をくぐります。
手水舎。左隣に井戸がありました。
四脚門。
当然ながら、早朝なので社務所も開いておらず、人の気配もありません。拝殿、舞殿の向こうに本殿が見えます。
江戸時代に南都方の楽人が拠点とした神社でもあり、ここでは舞楽奉納を中心としたお祭りが行われていたそうです。
拝殿でお賽銭を…と思い、よく見ると、このようなものが。コインを入れると雅楽が鳴るんですね。
鳴らせたい!と思いましたが、朝早いしなぁ…大きな音だったら迷惑やしな、と思って今回はご遠慮しました。
御本殿。
御祭神は、闘鶏稲置大山主命(つげのいなぎおおやまぬしのみこと)、オオサザキノミコト、額田大中彦命(ぬかたおおなかつひこのみこと)。初めてお聞きする御祭神ばかりです。
境内摂社の舞光社。
南都舞楽の楽祖である狛光高公を祀っています。
氷みくじ。氷の上に何も書かれていないおみくじを置くと、文字が浮き出てくるようです。氷室神社ならではですね。
かき氷のお祭りなどもあるそうです。
雅楽舞楽と氷、特色豊かなお社でした!
氷室神社のお向かい、道路を挟んだところに、奈良国立博物館新館があります。さすがにまだひと気がありません。
おっ、鹿さんがいました。なんとなく目が合い、オハヨーと声をかけてしまいました。
少し東の方へ向かうと、東大寺と春日大社エリアにやってきます。左手奥に若草山。
昼間や土日は人と車で混み合っていますが、この時間は、歩いている人もパラパラ。静かで気持ちがいいです。
春日大社のある飛火野はとっても広いので、色々ルートがありますが、今日はここから。
飛火野は、古くは春日野と呼ばれ、神体山である御蓋山を仰ぐ古代祭祀の地。
なかなか沢山の鹿さんたちがいました。草をむしゃむしゃ食べていたり、頭と頭をこすりつけ合っていたり、ぼんやりしていたり、思い思いに過ごしています。
キュイー、キューン、と鹿の鳴き声が、朝の飛火野に響きます。
森を抜けて、御本殿へと続く参道にたどり着くと、お出迎えのような鹿さんが近づいて来ました。お腹空いてるのかもですね。
右手の石垣の上に鹿さんが乗っています。なんかアヤシイやつが来たな〜、と思われてそう。
右手の大樹の存在感が凄かったです。ぬぬぬぬっと動き出しそう。
ニ之鳥居が見えてきました。平安末期の創建。ここをくぐると、神域感が濃くなるような気がします。
伏鹿手水所。
お隣に祓戸神社。平安中期、1006年にはお祀りされていた古社。ここで清めてもらってから、御本殿エリアへ。
石灯籠の数が凄いです。
春日大社、南門。
門の手前に、磐座がありました。大古の昔に、神様の依代として使われていた、というような事が書かれていました。
奈良に都が出来た頃、茨城県の鹿島神宮から武甕槌命を、御神体山である御蓋山山頂の浮雲峰にお迎えし、768年、勅命により今の地に社殿を創建し、千葉県の香取神宮の経津主命、大阪の枚岡神社から天児屋根命と比売神様をお招きし、お祀りしたのが始まりとされています。
春日大社へは、もう何度来たか分からないくらいですが、実はじっくり意識してお参りした事はありませんでした。
そうそう、前もこの幣殿から参拝したな。しかし改めてこうして見ると……御本殿、何処に!?と思うほど遠い…。
この幣殿から中のエリア、御本殿近くにお参りするには、特別参拝という形で予約せねばならないようです。
日程は限られており、現時点では、1月14日から3月31日まで。祭礼などで除外日もあるので要注意です。要予約で、3日前までに事前に申し込まねばなりません。
正直、「それにしても、一般参拝者と、なかなかの距離を取っているな。文化財保護の視点なら分かるけど、何か別の理由もあるような気がしてならん。ここは繁栄した藤原氏の氏神でもあるし、そういうのも関係してるのかな」と思ったものの、所詮は素人の浅知恵、歴史の事もよく判らないのでした。
個人的にはなかなかミステリアスな神社だと改めて思いました。
この時間、参拝者は数えるほどでした。ご家族連れと、地元のおじいさんが数人。早朝は人が少なくて、やはりいいな。
西回廊の釣り灯籠。
西回廊。所々、慶賀門、清浄門、内侍門があり、中の御本殿エリアに向かって参拝する方も。なるほど、ここからの方が近い。
南回廊にある榎本神社。春日の地主神。
さてさて、広大な神域には、約61の摂社・末社がお祀りされています。ここから、「若宮十五社めぐり」と「水谷九社めぐり」に向かいます。
続く!