こちらも昨年行ったところの続きです。
なんてことはない、山麓ののどかな郊外の道ですが、市街地よりは高台にあり景色もよく、山の空気が感じられました。
奈良市内のほっこりした雰囲気も好きだし、吉野から大峰山の神秘的な清洌さには心底しびれますが、この葛城から金剛山界隈は何ともいえないフィット感があるような気がします。
いい所やなぁと思いつつ、どんどん高い所へ登って行きました。車を停めて外に出てみると、随分高いところに来た事が分かります。
高天彦(たかまひこ)神社の参道入り口。
300メートルほどの山道かと思われます。
私は車なので、右側の舗装された道を走り、無料駐車場へ。ちょっと歩いてみたい気もするけども。
神社近くには野草園があったり、鄙びた集落の静かな風景が広がり、何とも言えない懐かしさがありました。
ちなみに林にはなっておらず、参道沿いにかろうじて木が残されています。杉の大樹はいずれも樹齢ウン百年はありそう。これが周り全て杉の大樹だったら、より一層神秘的な雰囲気でしょうね。
この時点で私は「大正解!」と叫びたいような気持ちでした。
高天彦神社に到着です。
古色蒼然としたお社。鳥居の左にある手水舎で手を清めます。神社の前には小川が流れていて、透き通った清らかな水音がしています。金剛山からのお水でしょうか。
古色蒼然としたお社。鳥居の左にある手水舎で手を清めます。神社の前には小川が流れていて、透き通った清らかな水音がしています。金剛山からのお水でしょうか。
金剛山の麓にあり、創建時期は不明。
ご祭神は葛城王朝を築いた葛城一族の祖神、高皇産霊神、市杵嶋姫命、菅原道真。
御神体は、社殿の背後にはそびえる標高694mの白雲峯。高天彦神社のあるあたりは、太古から神々が住む高天原であると考えられていたそうです。
立派な注連縄をされ、日本酒までお供えされていた狛犬さんたち。その奥に拝殿があり、奥には御神体山の山林が広がります。
境内は広くはないです。しかし沢山の境内社があります。
日本のいろいろな場所に土蜘蛛塚があり、妖怪とされていますが、実際は、当時の権力に従わず刃向かった人々を妖怪になぞらえた名称だと考えられています。その反対勢力を倒して葬った塚とされているそうです。
三十八社などの境内社。
背後の御神体山からの厳かなご神気というのかな、満ち満ちています。
本殿なしで山を御神体とする古代祭祀のすがたは、大神神社と同じですね。創祀時期はわかりませんが、かなりの古代ではないかと。
ずっとここでゆっくりしたいな〜!と思いました。神社仏閣に行くと離れがたい場所がちらほらありますが、ここは個人的には別格でした。
山の中の小さな古い神社ですが、かけがえのない神社がまたひとつ、増えました。
鳥居から境内を出て神社の前の道を行くと、金剛山へと通じているらしき登山道がありました。
高天彦神社の神様はこの山の上から、氏子の方々や参拝者を見守って下さっているんでしょうね。