雪。
道路凍結を何よりも恐れる私は、原付ねこじゃ号出勤を諦め、公共交通機関で、向かうことにした。
積雪はこのへんだけだろうし、少し走れば大丈夫なのだが、その溶けてるゾーンに行き着くまでに、私はこけるだろう。
朝の先斗町。
朝の東華菜館。
昔、職場の宴会で、ここの大広間で、なぜか上司と「チャンピオン」をデュエットしたことを思い出した。
「♪やがて〜リングと〜拍手の渦がぁ〜」と。アリスの名曲。
昔、上司がカラオケで歌っているのを何度も聞き、覚えたのであった。
そのとき、北京ダッグ様が出たのだが、別の上司と話しこんでいて、ハッと気づいたら、もうなくなっていた。せつなかった。
お昼休み、カップベンダーの「牛乳屋さんの珈琲」を買おうとした時、悲劇が起きた。
あつあつ珈琲が入ったカップを、取り出し口から取り出そうと、掴み、屈んだ瞬間、肩にかけていたバッグが、するっと落下。
その衝撃で、手にもっていたアツアツの珈琲がバウンドし、我が手に降りそそいだ。
熱い！
さすが「あったか〜い」を表示するだけはある。
すっごく熱い!!!
熱い上に、自分の肌から甘い香りが!!
周りに誰もいない or 知り合いが一緒の場合は、「あつっ」とか「いやぁ〜。かかった！」と、よどみなく感情を発露させることが可能だが、周りに数人の見知らぬ人がいたので、口をつぐんだ。（いや、別に普通に叫んでいいと思うんだけど、なんとなく恥ずかしくなっちゃったのである）
熱いのもイヤだけど、衝撃で、珈琲の量が減ってしまったことが、なんだか悔しい。70円だけどね。70円のうち30円分くらいは減った（笑）。
全て自分の因果であるがゆえに、あーあー、トホホ、しょんぼりしながら、飲み干す昼下がりであった。
仕事終わり、昼間は当番で別々であった同僚に、事の次第を話す。
もし私が同じ立場ならば、やはり「すぐ洗って冷やさなきゃ」と、100%、言うだろう。自分のことなので「ま、いいや」となってしまう。
今度やったときは（ないことを切に願う）冷やすべし。
夜の鴨川。
バスから降りて、今夜の月を撮っていると、運転手のおじさんも「今日の月は、きれいやなぁー」と言っていた。
私は、つい最近まで知らなかったのだが、あれなんですよね？
「月が綺麗ですね」というのは、遠回しな告白の言葉なのですね。
夏目漱石の逸話によるとか。
知らなかったので、今まで、色んな人に「あ、見て。月が綺麗やね」と言いまくっていた。
しかし、素敵ですね。実にロマンティックだ。言われてみたいものだ。
帰宅し、家族と晩ご飯。
デザートは「ナポリタンアイスクリーム」。
「ナポリタン」と言われると、あのスパゲッティを思い浮かべてしまうのだが。
バニラ、チョコ、ストロベリーの3種類のアイスクリームが入っていた。
弟R君（日本のナポリタンを知っている）が「これの、どういう部分がナポリタンなの？」と、早速、疑問符を投げかけてくる。
普段ならば「それはね」と説明するわけだが、逆に私が聞きたいくらいだ。「えーとね。わかんない！ナポリの人は、この3種類のアイスクリームを食べるのが好き、とか？？わかんない」
美味しいから別にいいや。とりあえずこれは、ナポリタンアイスクリームなんだよ、とムリヤリ納得して食べる。
R君が「ナポリタン…スパゲッティじゃない…何かが違う」と呟いたとき、父が口を開いた。
「さすがR君は、違いが解る男やな!」と。
うーーん!!
違いがわかるっていうか、うーーん。
なんかもういろいろわかんないんだけど、「そうやね！」と答える私でありました。
