yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

天岩戸神社

元伊勢皇大神社から日室ヶ嶽遥拝所を経て、歩いて10分くらい、けっこうな傾斜の坂道を下って行きました。登ってくるお子さん連れの若いご夫婦とすれ違いましたが、「し…しんどいっ」とお子さんがうめく言葉が聞こえてきました。
だよね。この坂道、下るってことは登るんよね。君のような体力ありあまる小学生がしんどいんだから、嗚呼…と五十路&四十路の我々は真顔になりました。


坂道を降りると道が開けて、龍燈明神の祠が現れました。同時に渓流の水の流れがザァァァと強くなります。

f:id:yukix03:20230625143429j:image
そして、「駐車場へはこちら」という下り坂へ続く看板も目に入り、本気で「良かった!ほんとに良かった!」と(先を行く見知らぬご夫婦もいたのに)けっこう大きめの声が出ました。失礼。僥倖だったもので。


ここから岩戸渓谷へ石段を降ります。

f:id:yukix03:20230625143451j:image
普段は閉まっている社務所エリアから、岩戸渓谷の産盥(うぶだらい)と呼ばれる景色が見えます。
神が湯浴みしたといわれています。

f:id:yukix03:20230625143511j:image
岩の中央部分に穴が空いていて、そこに水が入り、何というか確かに天然露天風呂みたいな形っていうのかな。そこが産盥。安産のご利益があるとか。


ここから更に細い石段を降ります。

f:id:yukix03:20230625143542j:image
渓谷を眺めながら行きますが、数日前の雨の湿気が残っているのか、石段は濡れていました。景色に見惚れて足元が疎かになったら危ないので、要注意です。

f:id:yukix03:20230625143557j:image


下まで降りました。
渓流の幽境といった光景。
大雨の時はたぶんここまで降りることは出来ないかも。

f:id:yukix03:20230625143618j:image
左手の石段を降りて来ました。
ヒールやサンダルでは危ないかも。

f:id:yukix03:20230625143633j:image


天岩戸神社
主祭神は櫛御毛奴命。
社殿の裏手には御座石があり、これを磐座として祀っているそうです。渓谷の岩を渡って見に行けばよかったな。

f:id:yukix03:20230625143650j:image
ご覧の通り、お社は岩盤の上に建てられています。
参拝するためには、備え付けの鎖で登る必要があります。


先を歩いていたご夫婦がよいせよいせと登ってお詣りされていました。それを下から見守る我々。
湿気のため大岩は思いっきり濡れており、そのせいか降りる時にご主人の方が滑って体勢を崩されたので、下から見ていた我々+後から来られた女性は「あああ!」と悲鳴を上げましたが、見守るしか出来ず。

f:id:yukix03:20230625143711j:image
もう足が付くかどうかの所だったので、ご主人は無事に着地。奥さんもご主人の助けを借りて無事に降りて来られました。
「登るときより降りるときの方が大変でした」と奥さん。


主人の足元はクロックスだったので、「アナタはやめときなさいね」と言ったものの、「行けるよ!」と勢いよく上がり始めました。
私も女性も「危ないから」と止めたものの、予想に反して猿のように素早く登っていく主人。
あっという間にお社の前に到着し、何やら祠の中をじーっと観察してお詣りし、再び鎖を握って降り始めました。
下から「降りる方が危ないよ。後で洗えばいいから鎖を握ってゆっくり」と声を掛けます。
中盤までゆっくり降りてきたものの、やはり先程のご主人が足を滑らせた所で踏み外しました。「うわー!」
「きゃあ!」「やだ危ない!」叫ぶ私と女性。
いやもう、不思議なものでね…。叫んだと同時に、「鎖に捕まってぶらんぶらん揺れている主人」の姿を見て「あはっ」と一瞬笑ってしまった自分がいました。なんていうか、ビックリし過ぎて感情がバグったみたいです。


もう足が付くかどうかの地点だったので、すぐに体勢を立て直して着地。
思わず「わー」と拍手する私と女性。
主人はフッと格好つけて「鎖さえしっかり掴んでおけば、足場を滑らせても大丈夫ですよ」と言ってました。さっきまで「うわー」て言いながらぶらんぶらんしとったけどな…。


顔を見合わせる女性と私。ダチョウ倶楽部ばりに「どうぞどうぞ」と譲り合い、意を決して私も挑戦。
主人に鞄を預けて、岩の下で柏手。「無事に行けますように!」と口に出してスタート。


鎖を握ります。予想してたより大きく感じました。
一瞬、数年前に行った熊野の神倉神社のロッククライミング的石段を思い出しました。
あれも雨上がりで傾斜もきつかった。今までで一番怖い石段だったけど、ここはもうゴリゴリの大岩ですからね。


しかし「神社仏閣巡りを始めて何年になる。行け!」と背中を押すもう1人の自分もいました。
私は右腕の炎症がまだ完全に治っていない状態だったので、「あー。これはどうかな」と思いつつ少しだけ上がるものの、濡れた岩が予想以上にツルツル滑る。しかも鎖が揺れると身体が持ってかれて、左右に揺れる。


これはちょっと無理かなと思った矢先、背後からバシャーン!という派手な水音と女性の悲鳴。
ビックリして動きを止めたところ、どうやら岩の上にしゃがんで、渓流で手を洗おうとした主人が足を滑らせた様子。岩に尻餅をつく形で、天を仰ぎ、両足が水の中に入ってました。
彼はすぐに半笑いで上に上がりましたが、岩で擦り傷を作った様子。
「ちょっと大丈夫?なんでそっちが落ちるの」と私は登り始めた岩から降りました。幸い擦り傷以外、ズボンとTシャツが少し汚れた程度でした。

f:id:yukix03:20230625144018j:image
私も女性もすっかり怖気付いてしまい、私たちは下から天岩戸神社の社殿に向かって拝礼して、登るのはお互いやめておこうという事にしました。
見知らぬ女性に、色々心配させてしまい大変申し訳なかったです。


おそらくですが、岩の表面がちゃんと乾いていて、凸凹のある靴だったら、上まで登ることはこの日ほどは大変ではないのではないかと思います。しかし無理すると大怪我する可能性があるから、要注意ですね。


狭い石段を登って上へ。手すりは錆びていますが、危険回避の為に手が汚れることは二の次でしっかり握って上がりました。上に小さな手水があるので、そこであらかた洗い流す事が出来ます。


駐車場へと通じる渓谷沿いの道。眼下には清らかな流れ。そしてさっきより近い日室ヶ嶽を見上げます。

f:id:yukix03:20230625144054j:image


同じ区域に、伊勢外宮の元宮伝承地にあたる豊受大神社もありますが、 今回は時間の関係で行っていません。またいつか。


お昼ご飯は福知山市内の「ふくちあんラーメン」。
人気店なのですね。13時過ぎてましたが15分ほど列に並びました。

f:id:yukix03:20230625144129j:image
とんこつ系スープのふくちあんラーメン。バラチャーシュー、トロトロチャーシュー、ネギ、海苔、味玉、モヤシが入っています。ストレートの細麺。
見た目よりあっさりしたスープ。美味しかったです。


今回は美しい紫陽花を満喫し、念願の元伊勢神社にも行けて、ドキドキする岩登りもあり、盛りだくさんな遠出でした。福知山市には明智光秀公をお祀りした御霊神社もあるので、また機会があれば行かせていただきたいです。

f:id:yukix03:20230625144227j:image