yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

公家とお神輿

火曜日。
夕刻より日が沈み、風が出て、過ごしやすくなった。

毎週火曜日に向かっていた、臨時お稽古期間が終了し、妙な具合だ。
仕事が終わったら、学生食堂で晩御飯を食べ、祇園に走っていたが、もう、しばらくは、毎週行くことはないのだ。毎回、梅雨時のお稽古ということで、傘や楽器ケースなどを手に抱え、大荷物でぐったり状態になるのだが、今季は、奇跡的に雨からは免れて、助かった。

「たばこ屋さんに行きたい」というリクエストを受け、憩いスポットより旅立ち、本部構内を抜け、南へ。
ちょっとした散歩である。
吉田神社の朱色の鳥居を横目に抜け、住宅街の中の、ひなびた雰囲気のたばこ屋さんに入る。自動販売機で買える時代に、なんとも、昔ながらの店がまえの商店であった。
「たばこ屋のおっちゃん」という感じのご主人が、店番をしていた。
私は、お店の壁に貼ってある写真に目を止めた。京都の名所、祇園祭や、吉田神社の祭礼風景などのお写真だった。小さなテーブルとイスがあって、灰皿とライターが置いてある。ご近所の常連さんが、ここで世間話をしていくんだろうな、と想像することが出来る。
水のない水槽の中に、なぜか「しめじ」のフィギュアのようなものがあった。謎だ。
「よし、出よっか」と声をかけられるまで、それらを眺め、楽しんでいた。

商店の前には、灰皿と100円自動販売機コーナーがあり、私は「愛媛のポンジューススカッシュ」か「あらごし梨ジュース」を買うか、真剣に悩んだ。
悩んだので、「かみさまのいうとおり」を行うことにした。子どもの頃、やりませんでしたか。迷っているとき、歌に合わせて、物体を交互に指さし、歌が終わった時に指が止まった方に決定、というわらべ遊び。
「♪どちらにしようかな、天のかみさまの言うとおり、ぶっとこい、ぶっとこい、ぶっぶっぶ、もひとつおまけに、ぶっとこい、ぶっとこい、ぶっぶっつぶ、かきのたね♪」
たぶん、地域によって、歌は微妙に違うと思います。
吉田神社界隈にて、30代の女が、真剣な顔で自動販売機のジュースを交互に指さし、「あらごし梨ジュースに決まり。私、梨が大好きなんですよ」と、100円玉を投入し、嬉々として梨ジュースを買い、その横で、同僚が「それ、果汁1%って書いてあるけど」と、買ったばかりの煙草に火をつけ、夕空に、紫煙をくゆらせた。

本部構内に戻り、夕闇に浮かび上がる時計台を眺める。


本日、朝から、雨。
雨のせいか、朝から蚊が多い。出勤前の憩いスポットにて、4箇所ほど噛まれる。
昔、友人より頂いた「北見のハッカオイル」を噛まれた箇所に塗る。スーッとして痒みが引いていくので、重宝している。
しかし、この後、オイルの蓋が緩んでいた事に気づかず、そのまま鞄の中に入れていたところ、案の定、蓋が外れ、ハッカオイル、鞄に漏出。
というわけで、鞄から、スースーと、やたらええニオイがする。

雨、午前中に止む。
本日のお昼は、250円弁当である。揚げ物中心だった。野菜があるといいのだが…250円だもんね。


夕刻、三条商店街に向かう。
祇園祭還幸祭を見に行くのだ。
四条の御旅所に鎮座ましますお神輿が、三条の御供社を回り、八坂神社へと帰ってくる。
17日の山鉾巡行が一般的にはクローズアップされているが、17日の神幸祭と24日の還幸祭が、神事の中核かと。
仲間らが神宝行列にご奉仕しているので、その勇姿を拝見する次第。

三条商店街の西端。ミートショップ「ヒロ」。ここの焼き肉処「弘」に入店することが、私の憧れである。


アーケード。提灯が掲げられている。


還幸祭の幟がはためく。


ミナミ時計店。シャッターの絵が気になる。


気になる食堂「タマヤ」。パンダ焼きっていうのが、昔あったんだけど、なくなっちゃったのかな。


商店街事務所前には、法被を着た子どもたちの姿が。


昔ながらの理髪店。


気になる中華店。担担麺食べたい。


靴の修理工房。しゃれおつな雰囲気ですね。


神事が執り行われる八坂御供社。


神宝行列にご奉仕中の仲間たち。
ここで、休憩中。
蒸し暑さの中、狩衣と烏帽子をかぶり、八坂神社から、三条を経由し、再び八坂神社に戻るまで、神宝を捧げ持って歩きます。


商店街の中では、和太鼓の演奏もあり。


仲間らとも会えたし、さて、お先にお暇しようと、別れを告げ、商店街を西へ向かって歩いていると、三若会の男衆がかつぐお神輿がやってきた。

先頭あたりには、小さな男の子たち。将来の担ぎ手ですね。


ほいっと、ほいっと、と聞こえる独特の掛け声が、商店街に響きます。


お神輿、来た。


すごい迫力。
お神輿を担ぐ男衆、かっこいいですね。

仲間内で、「神宝を捧げ持って歩くお公家さん(便宜上、私たちは公家と呼んでいる)か、お神輿を担ぐ男衆、どっちがいい?」という話になったことがある。
つまり、「はんなりとした文化系男子」か「ボルテージ上がりまくりの体育会系男子」どちらがいいか、と。
その場にいた女性全員が「…公家やな」「うん。私も公家やわ」と、公家に一致。
どちらにせよ、もし自分の主人や恋人が、参列していたら、「かっこいい!」と惚れ直してしまうこと、まちがいなしだが、お公家衣装が物珍しい、という要素も、リードの要因ではなかろうか。
かくいう私も「公家派」だが、実際は「体育会系お神輿衆」の方が合うだろうな、と心の中で冷静に分析してみたりする。
閑話休題
神輿を差し上げているところ。拍手。

ほいっとー、ほいっとー、の掛け声とともに、お神輿は、東へと向かっていきました。


そういえば、ご奉仕中の仲間の一人が、お歯黒をしていた。


三条商店街から西を臨む。