長らく続きました、この熊野紀行。今回がラストです。お疲れ様でした!
さて、熊野本宮を出発し、右手に熊野川を眺めつつ、ひたすら山の中を走ります。
熊野三山の奥宮とも言われている、奈良県の十津川郷にある玉置神社へ。
いくつもトンネルを通り抜けて行くと、緑の山々が迫るように目の前に現れます。
雨上がりの靄のような、白い雲のようなものがたなびき、窓を開けて走ると、爽やかな風が入ってきて、実にいい感じのドライブでした。
山間の十津川温泉を過ぎ、玉置山を車で登って行きます。カーブの連続で、道も狭い所が多く、お願いだから対向車来ないで!と祈る狭さの箇所もありました。
上へ行くにつれ、道は霧がかってきます。
もう、神秘的な雰囲気満点。雨上がりの午前中ならば、もっと濃霧が出たかもしれません。
約30分ほど走り、標高1000メートルにある玉置神社の駐車場に到着。車が5台ほど止まっていました。ちなみに歩いて上まで登ると、半日かかるそうです。
熊野へと連なる山系は、濃い霧?雲海に包まれていました。
車から外に出ると、さすが標高1000メートル。寒いです。もう昼過ぎなのに、うっすらと霧が漂っています。
玉置神社の参道へ続く鳥居。
交通手段がかなり困難な上に、雨も多い地域で、山の上ということもあり、道路が落石や台風の被害などで通行止めになりがちな場所です。
今回も大丈夫かと心配していたので、来る事が出来ただけで、もう良かった。
駐車場から本殿エリアへは、徒歩15分くらい。
木々を揺らす風の音以外、人の声も聞こえず、霧に包まれた道を歩きます。
「もののけ姫」のコダマの森を思い出しました。
鳥居をくぐると、しばらくは、熊野古道のような森の中の道を行きます。
長年憧れていた玉置神社の境内にいるというワクワク感で、疲れているはずの足取りも軽い。
本殿エリアに近づくにつれて、杉の巨木群が目立ちます。奈良県の天然記念物だそうです。
この時は気付きませんでしたが、左手の玉垣に囲まれた杉が、樹齢3000年とされる神代杉。
後ほどゆっくり拝見します!
杉の巨木群を抜けると、玉置神社の境内に到着。霧が晴れました。
創祀は紀元前37年。
熊野本宮大社とともに創建されたそうです。いまだに分からないことが多く、謎に包まれた神社です。
御本殿。
境内社。
境内社の背後に回ると、こちら、夫婦杉。
幹が途中から二つに分かれたのか、成長過程で二本の木がくっついたのか、分かりませんが、すごいです。
そして、樹齢3000年とされる神代杉。
大きすぎて写真に収まりません。
そして、写真では伝わらないのですが、見た瞬間、「わぁーー!」と自然に声が出てしまう、荘厳な存在感がありました。空気が迫ってくるような。
玉置神社の境内には、他にもビックリするほど大きな杉がたくさん生えていて、異世界に迷い込んだような気分になれました。
社務所にお神酒がありました。車でなければありがたく頂くのですが。残念。
三柱稲荷大明神。
玉置神社の奥社とされる玉石社へ。ここから山を少し登ります。
玉石社が見えてきました。
杉の根元に、白くて丸い石が敷かれていました。玉置神社の名前の元になったと言われています。
境内からここまで、たいした距離ではないのですが、けっこう急な登り道でした。
実は私はここに登る前に、間違えて駐車場に向かう参道を上がったり下がったり、行ったり来たりしました。
なので、ここに上がってきた時点で、もうしんどくてしんどくて。お昼ご飯も食べていないので、燃料切れ。
ここからあと10分ほど上がれば、玉置山の山頂に行く事が出来るのですが…今回はここでストップとしました。
今から思えば、「あー、やっぱり行けば良かった!」と後悔しています。また今度来る時は、是非、上まで登りたいものです。
御朱印をお受けしている間、神社の方が、かわいい娘さんと境内をお掃除されていました。御朱印を書いて下さった宮司さんもお掃除に参加されて、和気藹々、なんだか心がほっこりしました。
宮司さんとは特に御朱印以外のやりとりをしたわけではないのですが、とても丁寧で誠実な印象で、なんだか「さすが玉置神社の宮司さん。選ばれし人って感じやな」と思いました。
参道を、駐車場へ戻ります。
白山社。溶岩とされる窟をお祀りしています。
玉置山は溶岩の土地でもあり、通常はブナ林になるところを、さまざまな植生を持つ不思議な山になっているそうです。
駐車場に到着。すっかり雲海が晴れて、山々の稜線があらわになりました。左の方が、熊野本宮方面です。
そして結局、お昼ご飯を食いっぱぐれた状態で、奈良県から京都へ、無事に帰還しました。
やー、今回は、がっつり神社巡りをさせてもらいました。どの神社も、それぞれ異なる雰囲気があって、とても興味深かったです。
甲乙はつけられるものではありませんが、個人的に、今回、自分の中で最も印象に残ったのは、最後に訪れた玉置神社ですね。神代杉が、本当にすごかった。
私は歴史には疎く浅学ですが、色々な場所の色々な神社仏閣の空気感や歴史に触れると、単純にワクワクします。
そのためにも、日頃の運動は必須ですね。翌日は下半身がバッキバキの筋肉痛でした。
さー、次はどこに行こうかな。