吉野川を傍に眺めながら、東へ走りました。
さすがにこの辺りは、吉野山へのアクセス地点でもあり、車の量もそこそこあります。
それにしても、この吉野川沿いに立つお家が羨ましい。毎日、窓から吉野川の流れを見る事が出来るのだから。
予定では、丹生川上神社の上社、中社、下社という三社を回るつもりでしたが、天河大弁財天社の駐車場で色々と行程を組み立て直しザックリ割愛。今回は中社のみを目指す事にしました。
中社がある東吉野へは、初めて向かいました。
吉野川を右手にひたすら東へ。時代に車の姿は減り、山の中へ。午後に向かって上がってくるはずの雨は止むどころか順調に降り続き、我ながら「こんな雨の日に東吉野の山奥に行くひと、あまりいないよね」と思いました。
東吉野の山里は古い建物も多いなか、ところどころお洒落なリノベーション系のお店もあり、天川村や下市の風情とはまた違う情趣があり、だんだん楽しくなって来ました。
人家も途絶え、橋を渡ったり、うねうねした細い道を通り抜け、高見川に沿って走ること、しばらくすると、参道の始まりらしき小さな鳥居が見えてきました。
「おっ。ここじゃない?」と独り言を言いつつ車の速度を弱めると、道路に向かって大きな朱色の鳥居が現れ、そこが間違いなく丹生川上神社中社でした。
雨の中、現れたその神社の姿に、思わず車の中で「何ここ、めっちゃいいやん!!」と言葉が漏れました。
鳥居の奥、雨のため、うっすら靄がかったような社殿がババーーン!という感じで目に飛び込んで来ました。
さて、盛り上がる気持ちを抑え、駐車場へ。とっても広いです。
車から出て、ウインドブレーカーを着用。昨年の熊野三山用に買ったものですが、もうコレ今回大活躍。
いそいそと道路を渡り、神社向かいにある高見川へ。
雨天ゆえ、流れはやや濁りもありますが、美しかったです。晴れていたらもっと綺麗でしょうね。これから紅葉の季節は沢山の方が来られるのかもしれません。
さて、それでは大鳥居から改めて。
丹生川上神社・中社。
雨師の明神、水神宗社とされ、朝廷から崇敬されていました。ご祭神は、岡象女神(みつはのめのかみ)。水一切を司る水利、雨の神。
手水舎。疫病退散の鉢巻の龍神さんが頼もしいですね。
拝殿前。左手の「龍神」の書が目をひきます。
拝殿の中には入る事が出来て、参拝後も、椅子などがあるのでゆっくりできます。
祓い串もありました。
龍玉。ほー。色々ありますね。
御本殿。
草創は今から約1300年余り前。西暦675年頃とされています。
丹生川上神社は、ひでりの時には降雨を、長雨の時には止雨を祈る奉幣祈願が、朝廷から96回も行われてきた筋金入りの水の神様。
色々あって、途中廃絶して所在地不明となった時期があり、そのため現在の上社・中社・下社のうち本来の本社はどこか?という検証などがあったそうですが、その辺は長くてややこしいのでここでは割愛。
これこれ。この黒い馬と白い馬。
降雨を願う際は黒馬を。
止雨を願う際は白馬を。
その時々の目的により奉納し、願いが叶ったときは、放牧されたり払い下げられたりしたそうです。
今日のお天気だと私は白馬を奉納したくなりますが…(笑)。しかし雨ならではの風情もありますしね。
丹生の真名井。御本殿裏手の山から分源され、御本殿の地下を通り井戸に湧き出ているそうな。
叶大杉。
素晴らしい大迫力。私は触るのは遠慮しましたが、下から眺めるだけだけでも御利益ありそうな大樹でした。
叶大杉の傍に絵馬をかける場所があります。
ちらっと目に入ったものが、全て「震災で苦しんでいる方が少しでも楽になりますように」などの、他の人の安寧を願うものばかりで、思わず「なんて心がきれいな人たちばかりなんだ…!」と、三室戸寺で宇賀神像の尻尾を掴み「金運金運!ゲヘヘ」と笑っていた私とはえらい違いです。
絵馬の絵柄。やはり黒い馬と白い馬ですね。
いいな、なんかカッコいい。
しかし同時に「ゴディバ」のチョコレートを思い出したり。
なでフクロウ。
丹生川上神社中社の背後の山は、小牟漏岳(おむろがだけ)と呼ばれ、この地を「蜻蛉野(あきつの)」と名付けた古事があるそうです。
さて、最初に見えた小さな鳥居の方へ歩いてみました。参道の入り口ですね。
右手になんだかすごそうな所が。
木霊(こだま)神社。
脳内で、ジブリ「もののけ姫」の白いアレが「カタカタカタカタ…」と揺れる音が再生。
こちらがお社。ご祭神は五十猛命。
見下ろしたところ。道路を挟んだ向こうが高見川。
ここから本殿の横の方に行けるようです。
大盛丸神社。龍神様をお祀りしていました。
空へと突き抜けるように聳え立つ夫婦杉。向こうに本殿があります。
それにしても、この神社は木の勢いが凄いですね。
社務所にて。龍のおみくじ。
三社参りの色紙。上社も下社も馬ですね。
絵馬も。
そろそろ次の御朱印帳をどこかで…と思っていたので、こちらで購入。
白と黒の龍神様がカッコいい!
さて、私は気づかなかったのですが、高見川の方に夢渕や東の滝という美しいところがあったようです。どっちにせよ、この日のお天気では河原に降りるのは危ないので行けなかったけれど、見たかったですね。
やー。素晴らしい神社でした。
今度はお天気の良い日に、上社・中社・下社と三社参りをしようと思いました。
東吉野から移動すること、約1時間ちょっと。
吉野へ来た時は必ずと言っていいほど立ち寄る、道の駅、大淀iセンターに到着。
吉野路の名産やレストラン、旬の野菜や果物、植物などが販売されています。
余談ですが、この日は一角でコストコフェアをしてました。いいなぁ。長岡京市でもやってほしい。
大きなロティサリーチキンや、大量のディナーロールの袋を持ち上げて「オイこれ」と話しかけるご主人に向かって「いらん」と一喝する奥様の会話が聞こえて来て、面白かったです。
さー、お昼ごはん。
ハンバーグ定食。熱々の鉄板にて登場。和風のきのこソース。きのこは吉野産。
美味しくいただきながら、お隣の席に座っていた壮年男性二人組のうちの一人が注文した唐揚げ定食が到着した途端、思わず「あっ!」と二度見しました。
メニュー写真よりも遥かに美味しそうな、カラッと上がった唐揚げがゴロゴロッと盛られていて、ハンバーグもいいけど、そっちにすれば良かったと心の底から思いました。
このごはんおかわり券、肩たたき券を思い出して懐かしい気持ちになりました。
日本酒「猩々」、吉野柿、宮滝醤油、柿の葉寿司、揚げ出し豆腐、番茶あんこ食パンなどを買い、帰途に着きました。
これからは紅葉の季節なので、天川も吉野も、より美しい景色を見ることが出来るだろうなと思います。