yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

吉野水分神社

吉野神宮から車でどんどん山を登ります。
ご存知の方も沢山いらっしゃると思いますが、吉野山は、下千本、中千本、上千本でエリアが分かれています。
下→中→上の順に、上がれば上がる程、道路が狭くなっていくんですよね。
中千本あたりまでしか行った事のない私は、「うーーん、上千本あたりは狭そうだなぁ」とドキドキしながら進みました。
金峯山寺のある下千本エリアですら、すれ違う際には気を使う。Google mapで見る限り更に地図の線が細くなるエリアゆえに、いつも以上に気合を入れて登りました。

後でお参りする下千本の金峯山寺の横を通り抜け、古い旅館やお土産屋さん、カフェやお食事処などが並ぶ風情ある通りを抜けて行きます。
詳しい方は既にご存知の通り、中千本あたりの道は車両一方通行になっておりまして、基本的には対向車と行き合う可能性はないと思われます。
が、この時の私はそんなことは忘れていたので、ナビが指示する細い道をひたすら「ヒィ〜」と言いながら運転していました。

いよいよ上千本にさしかかる辺り、急な坂道で、下記のような図の角度でグイッッ!!と曲がっている所がありました。


車内で「ええっ!ここ曲がんの?」とうめき、ハンドルを切るものの、角度と道の狭さに一回では曲がれず、一回曲がって少し後退して…というのをやりました。これ、後続車とか通行者がいたら緊張するだろうな〜と思いました。上手な方は一発でいけるかもしれません。

ここから先の坂道は車1台分くらいの細さなので、対向車が来たら後退して退避するスペースを常に確認しながら登りました。
下千本からここまで、ずーーっと心の中で「来ないで来ないで、対向車来ないで下さい、お願いします!お頼もうします!」と神仏に祈ってました。だって怖いんだもん。

そして辿り着きました!
吉野水分(みくまり)神社。

この道路は、更に奥にある金峯神社、更に西方にある大峰山に続く大峯奥駈道に続いています。
ここに上がる間、シーズンオフということもあり、対向車も後続車も来ませんでした。ありがたや。
写真の左手にスペースがあり、そちらに2台ほど車を置くことが出来る模様です。

この石段、歴史ある鳥居の佇まいを目にし、感嘆の声を漏らしつつ、いざ。


石段のてっぺんに手水が。新しく設置されたぽいですね。

創建年代などは不明で、非常に古い神社です。
御祭神は、水を司る天之水分(あめのみくまり)大神。
葛城水分神社都祁水分神社宇太水分神社と、大和国四所水分社の一つとされています。こちらもまた是非とも行ってみたいところです。

子守宮とも称されており、「みくまり」が御子守(みこもり)となまって、子宝の神として信仰されています。


楼門から境内の緑が見えてきました。


思わず「うわぁ」と感嘆の声が漏れる、なんとも青々とした自然の気配に満ちた古社。


社殿は豊臣秀頼公が再建したもので、本殿、拝殿、弊殿、楼門、回廊ともに桃山時代建築で、時代を経て色褪せて古びておりますが、そこがまた何ともいえず味があり美しいです。

この時は社務所無人で、境内には誰もおりません。世界遺産を貸し切り状態。

入って左手の拝殿に、西行法師の木像。


拝殿。中庭を挟んで、右手の本殿と向かい合う形で建てられています。


元々は、吉野山の最奥部にある青根ヶ峰の山頂にお社があったのだそうです。
ほぉぉと見とれていると、先ほどから単発的にドリルのような音が。キツツキですね。音が大きいので境内にいるようです。
普段暮らしていると、キツツキの音を聞く事はありませんからね。さすがお山の中の神社です。


このような可愛らしい野の花もたくさん咲いています。


楼門方面を見たところ。


素晴らしい枝振りの大樹。


豊臣秀頼公が寄進された御神輿。
なにげなく置かれていますが、すごいですね。


境内社の子守大明神。


吉野水分神社は、こちらに遷座される遥か昔から、信仰の対象なのですね。
境内にいると非常に心地よくて、怖い思いをして登って来た甲斐がある!と思いました。
なかなか離れがたく本殿を眺めていると、本殿背後の木々から、ホーホケキョ、とウグイスの鳴き声。
沢山いるらしく、順番にホーホケキョと鳴き出しました。上手な子、ちょっと個性的な子などなど、重なることなく順番に聞かせてくれるのが可愛くて面白かったです。

歴史を感じつつもほわほわと癒されて、大満足で境内を後にしました。道中はスリル満点ですが、またお参りしたい神社です。


帰りも「対向車来ないで来ないで」と祈りながら走りました。お陰様で困難そうな箇所では対向車は来ず、無事に安全そうなエリアまで下りて来る事が出来ました。
混み合う桜の季節には、とてもじゃないけど私は車では来れないだろうなぁとも思いました。

今から降りてゆく金峯山寺のある下千本のエリアが見えます。

続く!