今回も昨年行ったところの記事となります。
前回の飛鳥寺のあと、奈良県桜井市にある安倍文殊院に行きました。ここは初めて来ました。
大化元年(645)に創建された日本最古に属する寺院。大化の改新の時に、左大臣となった安倍倉梯麻呂が安倍一族の氏寺として建立。
駐車場に車を止め、受付で入堂料を支払い、振り返ったところに、古墳があります。
西古墳。飛鳥時代のものです。
入り口は暗いので、ちょっと気後れしますが、中に入るとお不動さんがお祀りされています。
内部は、大化元年(645)当時のまま。良質な花崗岩を加工し、左右対称に石組みが為されています。当時の築造技術としてはものすごく美しいのではないでしょうか。
石室から外を見たところ。
出る直前に気を緩め、頭をガリッとやりました。いてて。
本堂。
膨大な数の絵馬が奉納されています。受験のお願いが多そうです。
ご本尊は、日本三大文殊の一つである文殊菩薩。
中に入ると空海上人をお祀りする部屋のあと、大収蔵庫があり、5像全てが国宝である「渡海文殊群像」が現れます。
このときは他に拝観者がなく、遠慮なく「うわー、こりゃすごい」と声に出して近づきました。
ここは勿論撮影禁止。
本尊、騎獅文殊菩薩像を中央に、他4体の仏様が、雲海を渡り、魔を祓い知恵を授ける為の説法の旅に出るお姿を現しています。
騎獅文殊菩薩像は、鎌倉時代で快慶作。端正かつ美麗なお姿で、獅子の表情も味わい深く、かなり見応えあり。うっとりしました。日本最大の高さ7メートルということで、神々しくもあります。
文殊菩薩と共に雲海を渡る他の4体も全て国宝。
あどけなさが残る善財童子像、西域の王であった堂々たる体躯で手綱を持つ優填(うでん)王像。現在も文殊菩薩の聖地である五台山に止まっているとされる須菩提(すぼだい)像。すばらしい法論を生んだとする維摩居士(ゆいまこじ)像。
スーパーアイドルのステージが今から始まるぞ!そんなワクワクがありました。
収蔵庫といえどガラスケースの中にあるわけではなく、空調などで管理された大きな部屋が奥にあり、手前の部屋と木柵で隔てられている感じです。
柵の前かぶりつきで見ていると、お坊さんが現れて、解説をして下さいました。
お話の中で特に印象に残ったのが、渡海文殊の渡海とは、雲海のこと。雲海を渡る仏様、想像すると、なんだか素敵。
そして阿部文殊院は檀家を持たぬ寺なので、今日まで残って来たのは、御祈祷の依頼が多い為だからとのこと。受験などのお願いが多いんでしょうね。
他の参拝の方が来られたので、この辺で退散。
いやー、目に焼きつけました。
素晴らしかったです。
お堂の外から。ここから拝む事も出来ます。
比較的新しい感じのびんづるさん。つるつるですね。あと百年ほど経つと、私たちがお寺で見るような、撫でられまくってすりきれたびんずるさんになるのかも。
石灯籠の道を行きます。
東古墳。飛鳥時代のもの。閼伽井の窟と呼ばれているそうです。古来より枯れることのない泉があったことに由来。
江戸時代に境内地に、四国八十八ヶ所、西国三十三所の本尊仏として祀られていた石仏を安置したもの。
白山堂。室町時代の創建。
丘の上へ。
京都には晴明神社がありますが、寺院で安倍晴明をお祀りしているのは珍しいような。安倍一族の寺として、古来より晴明信仰の聖地のひとつとされているのだそうです。
広くて見応えのあるお寺でした。