yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

伊根の舟屋

連休中、義実家に親戚が帰省。夕食の用意と食事以外は、各々のスケジュールで動く感じでした。

というわけで、土曜日に朝から主人と京都北部に出かけて来ました。
京都府与謝郡伊根町。近年「海の京都」として、素晴らしい景観が"日本のヴェネツィア"と呼ばれている漁村です。

15年くらい前にドライブがてらよく来ていたのですが、今回はかなり久しぶり。
高速道路も延伸したので、昔よりかなり行きやすくなりました。朝6時半に出発し、高速道路や下道を使いながらで、2時間少しくらいでした。
伊根浦公園。
雲が多めですが、久しぶりの伊根湾は美しい。


伊根湾に面して舟屋が並んでいます。
舟屋とは、船の収納庫の上に住居を備えた独特の伝統的建造物。


伊根町観光協会前の無料駐車場に駐車。
規模は小さめですが地元の物産も販売中。

やはり10年以上経つと町の様子も変わっており、観光地として整備されていました。びっくり。
ちなみにお昼過ぎには車で混雑していたので、早めに来るに越したことはないですな。

漁師町を歩いて行きます。


七面山駐車場。小型遊覧船が発着する場所。


海上を行く小型遊覧船。後で乗ろう!

写真の通り、伊根湾は、北側にある日本海からの風が山で遮られ、南からの風の影響のみ受ける地形になっています。湾内は高い波が寄せて来ることはなく穏やかな海。
そのため、海面ぎりぎりに舟屋を建てる事が可能なのだと、後で乗った小型遊覧船の船頭さんに教えてもらいました。

ここからの眺めも良いです。立ち並ぶ船屋の左端にある3軒は向井酒造の酒蔵。女性の杜氏さんがテレビでも人気者なのだとか。


突堤あたりには、釣りを楽しんでいる人々が沢山いました。どんな魚が釣れるのかなーと後ろを歩きつつ、また別の舟屋群が見えてきました。


こちらもまた趣きのある通りでした。
道路の右側が海です。
右側の建物が舟屋で、左側が母家です。
左右側で屋根の向きが違うのが判りますでしょうか。

昔は舟屋と母家は一対となっており、舟屋は舟のガレージの役割。生活するのは母家となっていました。
最近は舟屋をお店や宿にするところも多いので、舟屋でも生活ができるようになっているのだとか。

左手に見える舟屋は、「舟屋日和」という幾つかのお店が集まったエリア。開店前だったので中には入ってませんが、お洒落な雰囲気でした。


舟屋は地域の方々の生活の場なので、無断で敷地内に入ったりしないように、我々観光客側はマナーに気をつけねばなりません。

昔ながらの漁師町の風情が残った静かな通りで、とても素敵でした。この辺は海に面した舟屋の宿が多く、いつか泊まってみたい!と本気で思ってます。

通りを海側から見たところ。

舟屋の一階部分に椅子を出して、のんびりお茶などをされている方々の姿もあり、とても羨ましかったです。

さて、七面山駐車場に戻り、小型遊覧船に乗りました。
伊根湾の遊覧船は、大型遊覧船と、小型遊覧船があります。大型は文字通りの大型で、小型は10人くらいでいっぱいになりそうな一艘の船で、船頭さんが運転しながら伊根湾の見どころを紹介してくれます。
小型遊覧船は個人で電話で予約するのですが、少人数であれば、発着時に予約がなく空いていたらその場で乗る事が出来ます。

我々も、たまたま帰港した小型遊覧船に乗せてもらいました。贅沢な事に主人と私の2人で貸し切り。料金は30分程度で1人1000円。先に言いますと、船一艘でアテンド付きで1人1000円はかなりお得!

さすがに海面が近い。主人も私もテンション爆上がりです(笑)


こちらは岩牡蠣の養殖。残念ながらオフシーズン。 

後で別の岩牡蠣養殖を見た時にウミネコが沢山とまっており、船頭さんが「あれ、何を養殖してると思います?あれはね、ウミネコ養殖場手羽先がうまい(笑)」というジョークが飛び出し、ハイテンション中の主人と私は爆笑してました。

本当にほとんど波がありません。


光の加減で見えないのですが、正面左手の舟屋には木造の船が保管されていました。伊根のお祭りの時に使う船なのだそうです。

昔は木造船だったので、今のように海にそのまま浮かべておくことが出来ませんでした。この船も縄のようなもので釣り上げられていました。

こちらのゾーンは、よく映画やドラマの撮影に使われる一画。NHKええにょぼ」や、映画の寅さんとか。いや〜とても綺麗な眺めでした。


船頭さんからおもむろにかっぱえびせんを受け取り、バーッと撒く主人。「待ってました」とばかりにウミネコが飛んできます。


町を見下ろす八阪神社の鳥居。
祇園八坂神社からの勧請なのだそうです。


青島。島には蛭子神社があります。
地元の方は「べっさん」と呼びます。

八阪神社蛭子神社の海のお祭りでは、先程見せてもらった木造船が使われます。写真も見せてもらいました。伊根町という漁師町に伝わる海の歴史と文化、普段街中で暮らす私や主人とは全く知らなかった世界で、非常に興味深いです。

ここまで書いた伊根町や舟屋に関するウンチクは、全て小型遊覧船の船頭さんが教えてくれたものです。
トークが完成されていてジョークも面白くて、説明がスッと頭に記憶されました。
前に、テレビのロケでやってきた木村多江さんを乗せたそうで「やっぱり綺麗ですよ〜」と言うてはりました。思わず「でしょうねぇ」と激しくうなづく私。

運転中に予約の電話が入っており、帰港したら次のお客さんたちが待っていました。船頭さん大忙しですね。たまたますぐに乗れて貸し切りはラッキーでした。しかもすごく面白くて勉強になり、主人とまたこの船頭さんの船に乗りたい!と話しています。
大型遊覧船ももちろん良いですが、小型遊覧船は臨場感があるので、おススメいたします。



高台にある道の駅、舟屋の里へ移動。
ここからの眺めも素晴らしい。


海岸線に沿って舟屋が立ち並んでいる様子がよくわかりますね。

京都市内での雅やかな観光ももちろん良いですが、北部の伊根町の海に癒される旅路も、とても味わい深いです。

道の駅にお店を出している料理旅館「油屋」のごはんが美味しいのですが、開店前になかなかの待ち客。
というわけで,今回は舟屋の里のレストランにてランチ。お刺身盛り合わせ定食。

お刺身は柔らかくて美味しかったです。

舟屋の里を後にし、少しだけ北へ向かいました。続く。