yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

尾道・倉敷ひとり旅 7 : クラシックホテルとアンバーな夜

再び散策へ。
美観地区のなまこ壁の路地を行く。白と黒のコントラストがしみじみ美しい。

友人がこの辺に親戚宅があって、ザ・倉敷なおうちだとの話を聞いたことがあり、心底羨ましかったです。
いわゆる良家の御息女だったので、華麗なる一族ってやつかぁー、と思い出しました。

突き当たりに素敵な書店がありました。


いいなぁ。この通り。


少し歩くと、あるお店の脇にこのような岩がありました。ぬめり岩と呼ばれています。

ここは阿智神社のある鶴形山の麓にあたり、古代ベルム紀(2億5千万年前から3億年前)に、海底で蓄積された泥や砂が元になっていて、恐竜がいた時代にマグマの影響で硬い岩石になったのだそうです。

このあたりがまだ海だった江戸時代、庶民の船着場として使われて、水に濡れるとヌルヌルしていたことから、ぬめり岩と呼ばれたのだとか。

この岩を偶然見かけるまでは、私は阿智神社の前宮のことも特に気にしていなかったので、ここで説明板を読んで初めて「江戸時代…海?え?どういうこと?」とホテルに帰ってから調べて知ったのでした。
旅先で知る新たな歴史(しかもベルム紀とか古すぎて、もうブラタモリ気分)、旅の醍醐味だなと思いました。

私が岩をしげしげ見ていると、通りを歩いていた複数の観光客が「なになに?」とつられてやってきました。皆「えぇー、海!」とビックリしていたので、何故か私はホクホクした気持ちになり(笑)、その場を後にしました。

すぐ側に阿智神社の別の参道がありました。


えびす商店街。落ち着いた雰囲気でした。
昔、どこかの店先に繋がれた柴犬さんがいたな。


えびす通りは、サンタさんもえびすさん仕様。いや、えびすさんがサンタさん仕様か。


こちら、大人気のトンカツ店「かっぱ」。

お昼の営業が終わり、夜の営業に向けて準備中。
すでに順番予約用の紙が置いてあって、名前を書いている人たちがいました。

再び本通りに戻り、右手の林源十郎商店に入りました。オシャレで可愛い雑貨や、三宅商店のマスキングテープなどなど、時間を忘れさせる品揃え。

私はまず最上階のカフェへ。
室内席と、こちらのオープンエア席があります。
ちなみにこの屋上は開放されてるので、カフェ利用の人以外も上がる事が出来ます。


私はオープンエア席へ。

最初に座った席の日当たりが良すぎて、「こちらの方がいいかもです」とスタッフさんに心配され移動(笑)。

カフェモカのチーズケーキと、カフェオレ。
右側から日差しがあたり、身体の右側だけがじりじり暑かった。外なので仕方ない。


左手の山が阿智神社のある鶴形山。


カフェで使わせてもらったアンバー色の耐熱ガラスカップ、いいなぁ、欲しいけど、どこで売ってるんだろう。高いのかな。と思いながらほっこりさせてもらいました。
既にお昼にも小さめのケーキを食べ、ここでもケーキを頼んでしまった。
岡山のフルーツパフェ計画はここで中止としました。さすがにもうね。

お店を後にし、ぶらぶら。
お寺の前に花梨の実。


本通りを東へ。
素敵なおうちばかり。


西の空が暮れて来ました。


古書、蟲(むし)文庫。
来てみたいと思っていたので、喜んで入店。
久しぶりの古書店、穏やかな時間でした。


美しい通りを行きます。


地元の小学生たちが楽しそうに歩いていました。


夕暮れとなり、観光客は減ってきました。


足も腰も痛いわー。今夜はお風呂で半身浴やな。など思いつつうすらぼんやりしていると、修学旅行らしき男子たちが目の前にやって来て、いかに川面と建物を綺麗に撮るか、屈んだり試行錯誤してました。


この時私は、全国旅行支援でもらった金券を、倉敷で使うか明日の岡山市内で使うか、使い道は義父への日本酒にするかどうか、迷いながら歩いていました。
いま日本酒買って持ち歩くの重いんよね…。

有隣荘。
大原家の旧別邸で、昭和天皇が宿泊された事もあるのだとか。緑色の屋根瓦がとても個性的。


右に行くか左に行くか。


このあと、ふらりと立ち寄ったえびす商店街のお店の古道具ワゴンに私の目は釘付け。
カフェで欲しいと思ったアンバー色のガラスカップが、2客セットでポンと置いてあったのです。
「!!」早足でお店に近づき、カップのセットを手にし、お会計。「最後のセットですよ。掘り出し物よ」とお店の方に包んでもらい、無事に持ち帰りました。

まさか同じものがすぐに手に入るとは。
古道具ですが、綺麗な状態でした。帰宅してから愛用しています。

そろそろ夕食の算段ですが、明日の朝はホテルのビュッフェがある宿泊プランなので、軽めに。
商店街を歩き、昼間に目星をつけた「肉屋さんのコロッケ」を目指して行くものの、夕方には売り切れていて閉店準備。とほほ。
そんなわけで、セブンイレブン助六を買って帰りました。コンビニ袋持って倉敷国際ホテルに入るのはちょっとなと思い、バッグの中に隠し入れ…(笑)。

そして本通りへ。


美観地区は夜間ライトアップ中とのことなので、それを見てからホテルへ帰ることにしました。


夜で暗いのですが、この界隈の街の雰囲気は怖くはなく、ノスタルジック。

かつて海だった頃、どのような景色だったんでしょうね。

倉敷が商人の街となったのは、倉敷川を運河として利用した港としての機能ではなく、年貢米の集積地としてでした。


その為の蔵屋敷が立ち並び、蔵屋敷が転訛して倉敷地と呼ばれていたそうです。

豪商の蔵が立ち並び、街は繁栄。そして現在の倉敷美観地区界隈へと繋がって行くのですね。


川船の営業時間が終わると、倉敷川の水面は鏡のようでした。


なんか、二階堂のCMみたいな景色だなぁ。


夜のエル・グレコ

自分の住む自宅の近くに、こういうところがあったらいいなぁと思いました。