yukixうろうろ日記

京都在住。関西を中心にうろうろしてます。

廣瀬大社の砂かけ祭り・前編

奈良県北葛城郡にある廣瀬大社へ。
数年前に1人でお参りに来ました。
今回は、主人が奈良在住の知人からオススメされたとのことで、廣瀬大社の砂かけ祭に参加すべくやってきました。

 

以前来た時は、とても静かな地域でした。
この日は祭りということで、細い道路を行き交う自動車。譲り合いながら通過。

 

廣瀬大社前に到着。
ガードマンさんたちが駐車場に誘導してくれました。神社の駐車場はすでに満車で、この日はお隣にある会社の広い駐車場を開放してくださっている模様。コインパーキングがありそうな場所ではないので、実にありがたい。

f:id:yukix03:20240212172421j:image

参道の鳥居。お久しぶりです!

ここは高田川、曽我川大和川飛鳥川が合流する地ということで、水神がお祀りされています。
御祭神は若宇加能売命(わかうかのめのみこと)。別名、廣瀬大忌神(ひろせおおいみのかみ)。
他に櫛玉命、穂雷命。

 

緑に包まれた長い参道には、沢山のキッチンカーや露店が。
こないだの砥鹿神社といい、キッチンカーの増加でお祭りの様相が変わってきましたね。

f:id:yukix03:20240212172503j:image

 

境内はこのように沢山の人で賑わっていました。
しかし押し合いへし合いではないので、程よい混み具合かな。

f:id:yukix03:20240212172532j:image


まずは拝殿でお参りし、祭礼が行われる注連縄ゾーンを見学。

f:id:yukix03:20240212172553j:image


廣瀬大社の砂かけ祭とは、正式名称は「お田植祭」。
砂を雨に見立てて掛け合うことから「砂かけ祭」と呼ばれるようになりました。

f:id:yukix03:20240212172612j:image
奉仕者と参拝者が砂をかけ合うことで、五穀豊穣となる雨水の恵みを大神様に願います。
また、参集したそれぞれが神事に奉仕し砂にかかることで、厄除けを願う祭典でもあります。  

 

午前中に祭礼儀式である殿上の儀が行われていました。宮司、大前に祝詞奏上の後 、苗代作り・苗代巡り・苗植えの順にお田植の所作を行うというものです。
これから、午後に砂を掛け合う庭上の儀があります。


拝殿前に青竹を4本立て、注連縄を張り巡らせ田圃に見立てます。
行う事は殿上の儀と同じですが、田人と牛が現れて田植えの所作をした後、参拝者に砂を掛けます。
それに対して参拝者が砂を掛け返し、砂かけ合戦が始まります。
太鼓が叩かれるといったん終了。
この砂の掛け合いは1回5分程度、8回繰り返されるとのこと。

f:id:yukix03:20240212172635j:image

 

我々もスタンバイ。
昔、100円均一で買った雨ポンチョを使う時がようやく訪れました。100円ポンチョなので裄丈短めゆえに腕先や足などは砂をかぶりそうですが、まぁお祭りなのでヨシ。

f:id:yukix03:20240212172757j:image

向かいの台上ではテレビの中継撮影が始まり、注連縄付近に集まる人が多くなってきました。
拝殿では神職さんのご挨拶。しかし、マイクの音量が小さめに思えたことと周りの話し声もあり、残念ながらはぼ何も聞こえず。


拝殿奥のエリアから、地元消防団の方が白装束の田人に扮し現れました。おー、と歓声。田圃に見立てた注連縄の中で、田を耕すような所作。

f:id:yukix03:20240212172840j:image
f:id:yukix03:20240212172844j:image


消防団の方々の伝統的な半纏がかっこいい。

f:id:yukix03:20240212172903j:image


バッと砂が舞い上がり、始まりました。砂かけ祭り。

f:id:yukix03:20240212172955j:image
鍬を使って砂を掻き上げ、そのまま空に撒き散らします。ワァという歓声とも悲鳴ともつかぬ声。
前方に田人がやって来ました。思わず「来る!来るで!」と主人に言い終わらない内に砂が降って来ました。思わず「ひゃああ」と声が出ました。


前方のカーキ色のウインドブレーカーの方がスマホを構えていますが、その手元に降って来た砂がバサーッと降って来た瞬間。

f:id:yukix03:20240212173020j:image

 

やがて田人は注連縄から飛び出し、境内へと。

f:id:yukix03:20240212173103j:image
砂は雨になぞらえられ掛け合いが盛んであるほどこの年はよく雨が降り豊作となる。また、降り注ぐ砂にかかると厄除けになると伝えられています。

 

f:id:yukix03:20240212173324j:image

後方で「なんやァ、注連縄の中だけで掛け合うんかいな」と最初は余裕気味だった見知らぬおじさんたちが「えっ!ウ、ウワァぁ」と蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。


田人を追いかける人、逃げる人、さまざま。
私も主人も最初は遠巻きに見物するつもりでしたが…もうね、どこにいても砂はかかる(笑)。

むしろ積極的に砂かけてもらいたい!こちらからも砂を掛けたい!という気持ちにすらなってきました。公的に他人に砂を掛けて良い機会など、通常はありませんからね。子どもの頃の気持ちに帰る瞬間がありました。

f:id:yukix03:20240212173421j:image

太鼓がなると、砂かけタイムはいったん終了。拍手のなか、田人たちは拝殿奥へ帰っていきます。

後編へ続く!